第24話:花はヒカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『す…ごい……』
無駄な動きなど1つも無い。
想像以上の2人の強さに、奈由はただただ圧倒され、呆然と立ち尽くしていた。
何事もなかったように静まり返ると、桑原と幽助は、奈由の方へと振り向いた。
「奈由ちゃん、怪我はねぇか」
『う…うん。私は何ともないけど……って、桑原君の方が怪我してるじゃない!』
奈由は、桑原の手の甲に血が滲んでいるのに気が付き、駆け寄った。
近くで見ると、傷口は思った以上に深いものだった。
「ん?ああ、アイツの触手が少し当たっちまったのかな。別に大したことはねぇよ。こんなの、放っておけば治るか……って、お、おおい!?」
『待ってね』
奈由は、スカートのポケットから、ある物を取り出した。
妖気をーー吹き込んだ小さな花だ。
『すぐに終わるから…』
「奈由ちゃ…?」
奈由は、桑原の手の甲に花を乗せた。
そして、両手で優しく桑原の手を包み込むと、そっ…と目を閉じ、祈った。
「ん!?おっ…ぉおお!?」
「傷が…消えた!?」
花は、桑原の皮膚に浸透するように溶けていくと…パックリと割れていたはずの傷口が、跡1つ残さず消えてしまった。
桑原は手を空に翳して、不思議そうな表情をしながら、グーパーグーパーと手を動かしてみる。
「どうなってんだ…こりゃ?」
「奈由…お前……」
驚いた顔で奈由を見つめる、幽助。
奈由は、得意げな顔をしながらピースサインをしてみせた。
『これなら…ちょっとは役に立てるでしょ?』
お茶目でいて、自信満々な奈由のその表情に、幽助と桑原はおもわず笑みを溢した。
「…うっしゃ!!さっさと、垂金の屋敷を目指そうぜ!」
『うん!』
「うぉおおっしゃあ!雪菜さーん!待っててくださぁーーーい!!!」
遥か昔
陰に満ちた魔界という名の世界で
身を潜めて生きてきた……妖花族。
その長として、君臨した木花は
一人の男を愛し、その座を降りた。
その選択は…おもいもよらぬ運命の輪を形成して
今ここに、人間として存在する。
覚醒し、いよいよ…木花の力を手にした、奈由。
この未知の力を手にして
彼女は、どこへ向かうだろう。
前世からの宿命を
突如として背負ってしまった
この人生の道筋は…
奈由に何をもたらすか。
幸か、不幸か。
それはまだ、分からない。
今は、まだ…