第24話:花はヒカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
幽助は睨みを利かして、男に問い掛ける。
「なんだ…てめぇは?」
「それはこっちの台詞だ。ここは垂金様の私有地だ。とっとと、立ち去れ」
「そりゃできねぇ相談だな。俺達は、その垂金ってヤツに、大事な用があるからな」
「ほぉ…?」
凍り付くような空気が、その場に流れだす。
一触即発の予感に、奈由は後退りし、幽助達の邪魔にならない場所へと移動した。
そして、幽助と桑原は肩を並べて、男の前に立ちはだかる。
「…仕方あるまい」
男は、不敵な笑みを浮かべたかと思いきや、突然、全身がムクムクと脈打ち出した。
洋服の内側から、激しく波打っているのが分かる。
そして、ついに服を突き破り、本来の姿をそこに現した。
『っや…!』
緑色の肌。ウネウネとした触手。
胸元には、縦に裂けた大きな口。
遂に、正体を現したその妖怪に、奈由は驚きつつも、怯むことはなく、幽助達を見守り続けた。
「無理にでもお帰り頂こう。この姿を見て…生きて帰れた人間はいない」
「てめぇ…垂金に雇われたな?」
「いかにも。雪菜を狙う人間は…容赦なく、抹殺しろとの命令でな」
『……っ……雪菜ちゃんだって、アナタと同じ妖怪なんでしょ!?なのに…どうして…悪い人間の味方について、妖怪を傷付ける側になれるの!?』
おもわず、声を荒げてしまった。
無性に、怒りがこみ上げてくる。
どうして、妖怪が妖怪に…
こんなこと、できるのよ…!!
「くっくっく…お前らだって目の前に金積まれりゃ、何でもするんだろう?人間だって、私欲のために魂を売るヤツは沢山いるじゃねぇか。それと同じさ」
『っ…』
あまりに身勝手な妖怪の言葉に、幽助達は強い怒りと憤りを感じた。
桑原と幽助は、拳を握り締め、その手に、一点集中で霊気を溜めた。
「……浦飯、先に行くぜ」
「…おお」
桑原は手に溜めた霊気を、いっきに開放すると、霊気を剣の姿へと変化させた。
「ォォォラアアア!!」
そして、妖怪に向かって猛ダッシュで駆け寄り、剣を大きく振り翳す。
「んなっ!?くそっ…!!」
妖怪は、桑原の俊敏な動きに慌てながらも、素早く触手を伸ばして、攻撃を交わそうと試みる。
だが
「霊剣ーーーー!!」
金色の弧を描いて振り翳した桑原の霊剣は見事、妖怪の触手を切り刻んだ。
「うっっ…うがぁあぁあ!!」
妖怪の叫び声と血飛沫が舞う。
そこにすかさず……幽助が人差し指を前に突き出し、霊気を指先に集中させた。
「俺達を…お前と一緒にするんじゃねぇよ。霊丸ーー!!」
放たれた光の弾が、青い稲光のように輝いて、妖怪に命中。
妖怪は見るも無残な姿となり、そこに消滅した。