第24話:花はヒカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「雪菜さーん!俺は行きます!あなたのもとへ!待っててくださーい!!」
山々にコダマする、桑原の叫び声。
雪菜が捕らえられている屋敷に向かうため、早速、骨爛れ山までやってきた幽助、桑原、奈由の3人。
先陣を切って、果敢に突き進む桑原からは、雪菜への熱い想いが全身に漲っているのが伝わってくる。
惚れたというのは、本当らしい。
『ねぇねぇ…桑原君に雪菜ちゃんが飛影君の妹ってこと伝えなくて良いの?』
桑原に聞こえないように、幽助の耳元で囁きながら問い掛ける奈由。
幽助もまた、小声で応えた。
「うーーん………やめといた方が良いな。あいつら、すげぇ仲悪いし」
『あ~そうなんだ…』
確かに…桑原君と飛影君、どう見ても性格が真逆だし、反発し合いそう。
水と油というか。
幽助君の言う通り、雪菜ちゃんのことは伝えない方が良いかも。
「つうか、お前よ」
『ん?なに?』
「本当に、蔵馬のこと大丈夫なのか?蔵馬無しで、こんなところまで付いてきて…後でキレられたりしねぇの?」
『え?あ………あぁ…』
一瞬…
幽助君が
誰の事を言ってるのか
分からなかった。
ああ、そっか。
幽助君、いや…幽助君だけじゃなくて
皆は、秀一君のことを
蔵馬ーーーって、呼ぶんだよね。
『ははっ。大丈夫だって!心配しないでね。今回のことは…………く…っ…秀一君も、知ってるからさ』
「ん?まぁ…なら良いんだけどよ」
『…うん』
ダメだ。
自分でも…蔵馬って、呼んでみようしたけど
言葉が……出てこなかった。
その名前を呼んでしまうと
秀一君が、どこかに
行ってしまうような気がする。
秀一君が
秀一君じゃなくなるような
そんな気がして…
ピーピーピー!!
『あっ!』
奈由の腕に装着した妖気計が、突然大きな電子音を鳴らした(コエンマから貰った)
近くに妖怪がいるサインだ。
「どうした!?」
『近くに妖怪がいる!』
その場に立ち止まった奈由と幽助。
神経を周囲に張り巡らし、目を見張った。
前方を歩いていた桑原も察知したようで、周囲を警戒している。
『……あっ!』
すると、森の茂みから、1人の男が現れた。
ゆらゆらとした歩みで近づいてくるその男は、姿形は人間だが、纏っているその身のオーラは、紛れもなく妖怪だった。