第24話:花はヒカリ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ガタンッッッ!!!
『へ!?』
隣に座っていた桑原が…突然勢い良く立ち上がり、奈由は肩をビクッと跳ね上げた。
一体何事かと思いながら、桑原の方に恐る恐る視線を移した。
『桑原君…?』
「く、桑原…おい…どした?」
幽助と奈由は、ポカンとした表情で、ジッと桑原の顔を覗き込む。
すると…桑原の顔に徐々に、赤みが指しだし…惚けた様子で呟いた。
「ほ…ほ…ほ」
『ほ、ほ?』
「惚れた…」
ん?
「う……うぉおおおお!!行くぞ!行くぞ!!浦飯!奈由ちゃん!!あの子は、絶対に俺が救い出す!!っっ…ぁああアあ!!こうしている間にも…彼女は!!姉貴ィィィ!!金貸してくれぇええええ!!!100万もあれば足りんだろ!!ううぉおおおおおおぉぉ…!!」
ドダダダダダダッッッ…
燃え上がる感情を抑えきれず、桑原は全速力で部屋から飛び出していった。
階段を駆け降りていく、激しい音を鳴らしながら。
「『……』」
その場に残された幽助と奈由は、呆気にとられて、暫しお互いの顔を見つめ合った。
「なんなんだ…あいつ?」
『惚れた…とか言ってたけど…』
「つうか詳しい場所も聞かずに、飛び出しちまったな…はぁ…」
開けっぱなしにされたドアの向こう側を見つめながら、大きな溜め息を吐く幽助。
奈由は、苦笑いを浮かべながら、ドアノブに手を伸ばし、静かに扉を閉めた。
『まぁ、気付いたら戻ってくるか。さきに、ビデオの続き観よっか』
「…そうだな」
2人は、今一度テレビの前に座った。
そして、再び始まった……ビデオの内容に、驚愕することとなる。
〈その氷女は、君らとは、無関係ではないのだ。雪菜は……飛影の妹だ〉
「飛影の…」
『妹…!?』
おもいもよらぬ、新事実。
まさか、雪菜ちゃんが…飛影君の妹だなんて。
『絶対に…助けてあげないと…』
「…ああ。そうだな」
幽助と奈由は、それぞれに色んな想いを抱きながら、雪菜奪還へ、新たな決意を固めた。
その後のビデオの内容は、屋敷の住所や、諸々の詳細について。
幽助と奈由は「場所を聞き忘れた」と言って、バツが悪そうな様子で戻ってきた桑原を引き連れて……
屋敷のある骨爛れ山へと、向かうのだった。