第23話:咲く恋の花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
斜め上を行く、奈由の天然さに、秀一は、おもわず笑いがこみ上げて、口元を軽く抑えた。
「………」
何故かな。
裏表のない、奈由の天真爛漫な姿を見ていると、不思議と心が安らぐ。
おそらく、これは
木花とは関係ない…
奈由が持つ、魅力なんだろう。
木花からも、数えきれない安らぎと幸福を与えられてきた。
だが、奈由に生まれ変わってからは、より更なる安らぎと、底無しの、太陽のような明るさを感じる。
総じて不思議な存在だ…俺にとって、奈由は。
まだーーーー色々、知りたいな。
君のことを。
「今度…どこか出かけますか」
『ふぇ?』
唐突な秀一の提案に、おもわず手の中のおにぎりが、ポロッと擦り抜け落ちた。
今…なんと?
「今回の任務が終わったら、どこか…一緒に行きませんか?」
『ほ、本当?』
「ええ。一度…妖怪とか修行とか…色んなこと、全て忘れて、アナタの為人を知りたいんです」
余計な固定概念を、一度忘れ去ろう。
今、目の前にいる奈由が
どのような人間で
どのように生きてきたのか
単純に知りたい。知ってみたい。
きっと、まだ知らないアナタの新たな一面を、見つけてみたいんだ。
『妖怪も…修行も関係ない…?』
「ええ」
『2人で…出かける?』
「ええ」
嘘みたいな夢みたいな、話。
奈由は、徐々に現実味が帯びて、押し寄せるように込み上げてきた喜びを爆発させ、笑顔いっぱいに答えた。
『も…もちろん!もちろんだよ!私も…私も行きたいって思ってた!秀一君と一緒に!』
「…ははっ、それなら良かった」
想像以上に喜ぶ奈由の姿に、秀一は少し圧倒されながらも、あまりに素直すぎる反応に、おもわず照れてしまった。
そして、秀一は少し気恥ずかしそうに頬を染めると、続けて言った。
「その時のためにも…今回の任務、無事にやり遂げてください」
『うん。絶対!私…無事に帰ってくるね!』
「…楽しみにしてます」
青空の下で、未来の約束をした。
小さな小さな、1つの約束。
だけど、それは
2人にとって、新たな糧となるだろう。
奈由は、倖せを感じながら
次の任務遂行へ、邁進する決意を固めた。
~続く~