第23話:咲く恋の花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「彼は、元々ああいうタイプなので、奈由が、何かしたということはないし、気にしなくて大丈夫ですよ。単純に、飛影が不器用で捻くれ者なだけですから」
『そ、そうなのかな?』
「まぁ…根本な冷徹さがありますけど、幽助や桑原君と出逢ったことで、最近は性格に棘がなくなってきましたね……ほんの少しだけど」
奈由は、秀一の言葉に、おもわず目を丸くした。
秀一君って…飛影君のことをよく見てるんだなぁ。
もともと、観察力はあるんだろうけど…それだけが理由じゃない。
きっと、秀一君にとって、飛影君は大切な存在なんだろうな。
『ふふ。秀一君って、飛影君のことをよく知ってるんだね』
「付き合いも、そこそこ長くなってきましたからね。保護者的な目線で見ている部分も…まぁ多少はあります。しかし…」
秀一は少し曇った表情で、奈由を見つめた。
「やはり…奈由も、今回の任務に参加するんですね?」
秀一から、そう問われるだろうと大体の想像はついていた。
自分に力が不足していることは、重々承知。だけど、何事も実践なくしては育つものも育たない。
奈由は、迷いなく首を縦に振った。
『うん。ここから先は実践あるのみだし…私は行くつもりだよ』
「…ですよね」
軽いため息を漏らしながら言う秀一。
いずれこうなる事は分かってはいたが、実際にその時がくると…心配は尽きないものだ。
「一緒に行きたいのは山々ですが…俺は執行猶予中の身で、あまり好き勝手に行動ができない。今回は、ついて行けないかもしれないな…」
『そっ…か。そうだよね』
もしかしたら、秀一君もついて来てくれるかも……と、淡い期待を抱いていた奈由だったが、秀一の様子を見る限り、そうもいかないようだ。
残念な気持ちが、おもわず顔に表れそうになったが、秀一の心配を少しでも軽減しなければという想いが先行し、振り切るように、空元気を見せた。
『秀一君!私は大丈夫だよ!幽助君もいるんだし、無事に帰ってこれる。だから、安心して?』
「…そうですね。幽助もいるし…安心かな」
納得がいっているのか、いっていないのかは分からない。
だが、秀一は口角を軽く上げて、優しい笑みを、奈由に向けた。
奈由もそれに応えるように、頬を染めながら、優しく微笑んだ。
「とにかく、無茶はしないことです。それと、落ち着いて行動をとること。頑張りすぎないこと。できる限り、幽助の傍からは離れないこと。良いですか?」
『うん!頑張ります!』
「いや、今、頑張ってはいけないと言ったばかり…」
『あっ…じゃ…じゃあ!頑張りすぎないように…頑張る!!』