第3話:蔵馬と木花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
南野は、少しだけ微笑むと、静かに空を仰いだ。
遠い昔に想いを馳せたような…表情で。
「俺達が出逢ったのは……もう随分前のことになる」
俺は、妖狐だった。
名は、蔵馬といって、魔界では少しは名の知れた盗賊だった。
妖狐…なんて言われても、今の君にはピンとこないかもしれないな。
一種の〈妖怪〉だと思ってくれれば良い。
そして、君も同じく妖怪。
妖花族という一族の長で、名は
ーーーー
妖花族は、その名の通り…花の妖怪。
治癒能力に長けていて、薬草作りで右に出るものはいなかった。
妖花族は、一族以外の妖怪とは、殆ど交流をもたない種族。
極力、外部との接触は避け、ひっそりと暮らしていた。
そのためか…妖花族について、詳しい者は、ほとんどいなかった。
一言で言えば、謎な一族。
だが、そんなある日…
盗賊である俺にとって、もってこいの情報を入手した。
"妖花族の村には治癒能力を更に高める<花結>という宝具がある"
こんなオイシイ話を逃すわけない。
俺自身も、植物を武器化したり薬草を作る知識があった。
妖花族の宝具を手に入れさえすれば、より植物を扱う上で有利になる。
これは、盗むほかないだろう。