第23話:咲く恋の花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『じゃあ、沢山薬草を作ってストックしておけば、幽助君のサポートで使えるかな?』
「ええ。助手として、申し分ないと思いますよ。ここまで…よく頑張りましたね」
ポンポン
『はっ…!?』
優しく頭を撫でられた…たったそれだけのことに、奈由は、みるみると、顔を真っ赤に染めていった。
身体は石のように硬直し、頭のてっぺんからは、蒸気が吹き出しそう。
『あ、あり、ああありがと…ございます…!!』
あからさまに挙動がおかしくなる奈由に、秀一はキョトンとした表情で見つめたが、次の瞬間には、優しい微笑みを浮かべながら、奈由の耳元で囁くように言った。
「こちらこそ」
『え?』
「そんなに、可愛い反応をみせてくれて…どうも」
な、な、な、な、な
んなぁぁぁぁ~!!!!!??
『バッ…バババカバカ!からかわないで!も…もぉ!!』
「はははっ、ごめんごめん」
意地悪げに揶揄う秀一は、今までにないほど明るく晴れやかな表情をしていた。
かたや奈由は、からかわれた恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、ポカポカと秀一の身体を叩いた。
おいたの過ぎる秀一に、心を揺さぶられてばかりの奈由。
だけど
そんな秀一の、お茶目な姿に
優しい姿に
どんな瞬間にも
胸を躍らせ、喜ぶ自分がいる。
心に華やぐ、ときめく想い。
この想いに、名前があるのなら
紛れもなく、それは〝恋〟。
ーーあの日の夜。
初めて打ち明けた心のモヤモヤを
秀一は、包みこむように受け止めた。
その瞬間
恋という名の感情の波に、奈由は、完全に飲み込まれたのだ。
これは、認めざるを得ない。
私は……秀一君が、好き。
秀一君に…恋をしたんだ。
「さぁ、修行は今日までですからね。帰る前に、もう一度…やってみましょうか」
『は…はい!』
いよいよ、終わりを迎えようとしている修行。
限られた時間を有効に活用し、2人は、再び、楽しく特訓に励んだ。
『幻海師範、1週間…お世話になりました』
あっという間の、1週間だった。
無事、修行の行程は終了し、ついに山を降りる時が来た。
まだまだ、課題は残っているが、これで、基礎的な技は、使えるようになった。
あとは、実践こなして磨くのみ。
「くれぐれも、無茶はするんじゃないよ。良いね?」
門の前で見送る幻海は、どこか少し寂しげな表情をしながらも
最後は、奈由を励ました。
「また…おいで」
『…はい』