第23話:咲く恋の花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
1週間の怒涛の修行が…
いよいよ、終わりを迎えようとしていた。
「よし!今じゃ!」
『…っっはい!!』
パンッッ!
豪速球で投げられたボールに向かい奈由は、両手を前に翳し、結界を張って、弾き返した。
『…で…きた』
「………うむ」
妖気を手から放出して、妖気の壁を作り、敵の攻撃を防御する。
日々の座禅のおかげもあり、乱れていた妖気が安定し、自由自在に妖気を使い熟せるようになってきた。
つまり、奈由は自発的に、結界が張れるまでに成長したのだ。
『やりました!幻海師範!これで50回連続で、結界張れましたよ!』
「ふむ。たった一週間で、ここまで出来たら、大したもんじゃな」
『げ…幻海師範~!!あだぁっ!』
ついに、幻海からお褒めの言葉を頂戴し、感動のあまり、勢いで抱きつこうとしてみたが、どこからともなく取り出された警策により、肩を小突かれ拒否された。
「どアホ!甘ったれるんじゃないよ!ちょっと出来るようになったからといっても、お前の技が、未熟な事に変わりはないわ!ほれ、もう一度いくぞ」
『うぐぐ…ひどい…』
「なんじゃ?」
『…何でもないです』
この1週間で、奈由と幻海の関係性は、大きく変わっていった。
会話のやり取りの一つとっても、打ち解けてきているのが、見て取れる。
皮肉にも、10年前の出来事が、ここに公になり、その結果、2人を結びつけたといっても過言ではない。
幻海にとっては、孫娘のような
奈由にとっては、お婆ちゃんのような
とても、良い関係性が築かれていた。
一方、秀一とは……
「そう。そのまま、力を放出して」
『ん…ぐぐっ…くぅぅ~~…』
両手で草を握り締め、力強く、一点集中で妖気を放出する。
「良いですよ。もう少し…」
『んぬぬぬぅ…!』
すると、ただの雑草に…突然、ピンク色の花が芽吹いた。
『は…っ…はぁ…さ、咲いた…!!』
小さくも、凛と咲く美しい花。
妖気を送り込むことで、雑草を変異させ、成長を促した。
息を飲むような花の美しさに奈由は、心底感動を覚えた。
『凄く…綺麗だね!まさか、妖気を注入するだけで…こんなにも、美しい花が咲くなんて…』
「それはアナタが、元々妖花族だったからですよ。普通の妖怪が、同じことをしても、こうは咲きません。この花は、傷口にあてがったり、あるいは煎じて飲めば、治療に使えますよ」