第22話:過去の日の呪縛
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……ふぅ」
幻海は、力無い溜息を漏らした。
どうにもこうにも落ち着かず、ソワソワしながら、蔵馬が自室に訪れてくるのを…まだかまだかと、待ち続けた。
「幻海師範、少し…よろしいですか」
「ん?おお…入れ!」
襖の向こうから、律儀に尋ねてくる蔵馬。
幻海はおもわず、上ずるような声をあげて、蔵馬に入るよう促した。
「失礼します」
襖を開け、部屋の中へと入ってきた秀一は、見るからに、複雑そうな表情を浮かべていた。
「どうだ?奈由の具合は」
「今は、ぐっすり眠っています。少し微熱が出ていますが…ゆっくり休めばすぐに良くなるかと」
「うむ…そうか」
ーーー…川での特訓入ろうとした矢先
奈由は、突然
浅瀬の真ん中で、涙を流して倒れた。
特訓は即刻中断したが奈由のパニック状態が治ることはなく、挙げ句の果て、体調を崩してしまう結果を招いた。
強い責任を感じる秀一は、らしくもなく…幻海に、懺悔を吐露した。
「すみません。俺が、無理に特訓を決行しようとしたばかりに…」
「まぁ、そう気を落とすな。体調も一過性のものだろう。すぐ良くなるよ」
「だと、良いのですが……ふぅ」
秀一は表情を歪めながら、眉間に手を当て、考え込んだ。
気を抜くと、溜め息ばかり漏れてしまう。
心の中で、何度も自分を責めてしまうばかりだ。
「…座りな」
幻海から座るよう促された秀一は、座敷机を間に挟み、幻海と向かい合わせに腰掛けた。
「さて、それで………もう一度確認するが、奈由は、川の中に入った途端に倒れたんじゃな?」
「ええ。理由は分かりませんが…何か水場にトラウマがあるのかもしれません。もしかすると、溺れた経験があるとか…」
「ふむぅ…」
幻海を、目を伏せた。
何かを思い悩んでいる様子だが、暫くすると「よっこらせ」と勢いをつけながら、立ち上がった。
すると、部屋の隅にある戸棚の引き出しまで移動し、何かを取り出した。
「読んでみな」
「えっ……?」
幻海は、取り出したものを秀一に手渡すと、再び定位置に、腰掛けた。
秀一に手渡した、それは
ーーそれは…新聞の切り抜きだった。
随分と年季の入ったその切り抜きを、手にして、何か…良からぬ不穏な気持ちを抱いたが…
秀一は
意を決して、見出しを読んだ。