第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「奈由……?」
あと半分で、川の向こう側に辿り着くはずだった。
秀一は、後方から聴こえてきた大きな水飛沫の音に反応し、後ろを振り向いた。
そして、目の前に飛び込んできた光景に……戦慄を走らせた。
「奈由!!!」
浅瀬に座り込み、顔を両手で覆いながら、嗚咽を漏らし涙を流す奈由の姿。
秀一は、すぐさま奈由に駆け寄ると、強く肩を抱いた。
「奈由、どうした!!一体、どう…」
『ぅ…っ…くぅ…うぅ…』
秀一は
この瞬間
初めて
奈由に心に潜む
大きな闇を垣間見てしまった。
『ごめっ…ん…ごめん…な…さ…』
「奈由…」
勘違いしていた。
彼女は、いつも笑っているから
人として生まれ変わって
きっと、多くの愛に育まれ
今日に至ったのだろうと。
勝手に、そう解釈して
勝手に、安心していた。
だけど、そうではない。
奈由には
奈由の
ーーーー深い闇があるんだ。
「大丈夫…落ち着いて……」
秀一は、奈由に…寄り添い続けた。
奈由の心に潜む
見えない陰と深い傷。
今はまだ
寄り添うことくらいしか
自分には、できないのだと
秀一にとっても
辛い現実を突きつけられた。
それは、とても
2人にとって
残酷な午後の出来事となってしまった。
~続く~