第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
修行、2日目。AM 5:30。
木漏れ日と鳥の囀りを目覚ましがわりにして迎えた朝は、とても気持ちの良いものだった。
と は い え
朝が苦手なことに、変わりはない。
『うぅ~…あぁ~…ね…むぃ…』
案の定、寝不足だ。
原因は疲れもあるけど
1番は、やっぱり昨晩の出来事。
不思議。未だ実感が湧かないなぁ。
秀一君もこのお寺に泊まってて、今日も一緒だなんて。
こんな気持ちで…残り日程、身が持つのかな?
バンッッッ!!
「はよ起きんか!この寝坊助娘が!」
『ふぇ!?あ!?ごごっ…ごめんなさい!!』
叩きつけるように襖を開けた、幻海。
早朝とは思えぬ、パワフルさに圧倒された奈由は、グダグダと絡まっていた布団から素早く飛び起きて、慌てて支度を開始した。
今日も1日…大変なことになりそう。
「それでは、幻海師範行ってきます」
「うむ。頼んだぞ」
『いってきます!』
座禅修行も何とかこなし、いよいよ午後からの修行に突入した。
玄関先から幻海に見送られて
秀一と奈由は、寺の門を抜けて、石畳の大階段を下った。
どこに行くとも告げられないまま、歩く奈由は、これから何の修行を行うのかが、気になって仕方がなく、チラッと秀一の顔を横目に見ながら、質問を投げかけた。
『秀一君、これからどこに行くの?何の修行をするのかな?』
「植物に、妖気を注入する修行をします。なので、植物が咲いている場所まで移動しましょう」
『植物に妖気を?そんなこと、私に出来るのかな!?』
「大丈夫ですよ。感覚さえ掴めれば、今の奈由になら、出来ます。座禅修行のおかげで、妖力の乱れも落ち着いてきていますし、すぐ慣れるはずです」
これまでとは、違った新たな修行。
霊界探偵助手としての、要ともなろう特訓に、奈由は一抹の不安を覚えつつも、同時に好奇心を擽られていた。
『何か…いよいよ自分の力を使った技を身につける時がキタ!って、感じだね!うう~ん、緊張するなぁ…』
「はははっ、緊張することはないですよ。俺がしっかりと、教えますから」
『うん。よろしくお願いします!』
漲る好奇心を、やる気と自信に変えて
奈由は一歩一歩、大階段を降りて行った。
だが、その気持ちは…
辿り着いた、その場所で
一瞬にして、打ち砕かれてしまった。