第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「妖力…というものは、無理に高めていくよりも、自然と溢れてくるのを待つ方が体への負担も少ない。お前さんを見る限り、今のところ、順調に妖力が上がってきているようだし、その点は自然に身を任せた方が良いじゃろう。よって…お前さんに最も必要なのは、内から溢れ出てくる妖力を、自らコントロールする…精神だ」
『コントロールする精神…ですか?』
「今のお前さんはな、妖力のコントロールが取れず、無防備な状態なんじゃよ。言うなれば、開けっ放しの蛇口みたいなもんだ。ちゃんと蛇口を閉める癖を付けておかんと、悪どい妖怪共に襲われてしまうことも十分あり得る」
開けっ放し蛇口。つまり、妖気ダダ漏れ状態ってことか。
それは…確かにマズイかも。
奈由は幻海の言葉で、事の重大さに気が付き、ますます、真剣に打ち込まねばならないと奮起した。
『幻海師範、では…その妖気の蛇口を閉めるには…どうしたら良いんでしょうか?』
「座禅じゃ」
『は?』
「座禅じゃ。ざーぜーん!ほれっ!早う、ここに座れ!!」
まるで何かのスイッチが入ったかのように、強い口調で指示してきた幻海。
奈由は、混乱しながらも
誘導されるがまま縁側まで移動した。
「奈由。そこに直れ!」
『ふぇ!?は…はいぃ!!』
「正座じゃない!胡座をかけ!胡座を!」
『え!ええ!?』
「ほれ!早よせんか!!」
心の準備もなく、突如始まった…幻海師範のスパルタ修行。奈由は、アワアワしつつ、何とか指示通りに、座禅のスタイルを組んだ。
「では、その状態で6時間!」
『ろ!?ろぉ!?6時間ですか!?』
「勝手に動くんじゃない!!」
『アッ…ダッッァア!?』
どこからともなく取り出された警策で(座禅の最中に肩を叩く棒のこと)奈由は、強く打たれた。
6時間って…今、13時でしょ!?
つ、つまり…
19時までってこと~!?!?
『あ…あの……幻海師範…この修行には…どのような効果があるんでしょうか…?』
「座禅はな、単なる黙想、瞑想ではない。自我を極力排除し、自我以外の存在を全感覚で受動的に感じ取る。まずは、そこで静かに、己の中に流れる妖気を感じとれ!感覚を研ぎ澄ませるんじゃ」
『は、はぁぁ…』
「気が弛んどるぞ!シャキッと返事は!!」
『はっ…はいい!!』