第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ぇえええ!?秀一君…ななっ何で!?』
「ちょっ…危ないですよ」
驚きのあまり、勢いよく仰け反り、おもわず倒れかけたが、秀一に腕を掴まれて、バランスを立て直した。
もう、何が何やら分からなくなっている奈由は、半泣き状態で矢継ぎ早に秀一を質問責めした。
『何で!いつから後ろにいたの!どうして!な、な、何で私がここにいるって分かったのぉぉ~!?』
「奈由、落ち着いて…」
『だ…だって…』
う、ううぅ~…黙って来ちゃったこと
絶対、怒られる!!(涙)
『秀一君、あの…ごめんね。何も言わずに、黙って来ちゃって…怒ってるよね』
「………」
奈由は、身体を小さく縮こませながら、か細い声で謝った。
申し訳ない気持ちと怒られたくない気持ちとが混ざり合って、まるで飼い主に叱られたワンコのような表情になっている。
「貴女のことだ。俺のことを、気遣ってくれたんでしょう?」
『へ…?』
「俺が、助手になることを反対していたから…言いづらかったんですよね」
思いも寄らない秀一の言葉。
微笑みながら言った秀一は、ソッと奈由の頭を、優しく撫でた。
「かえって、色々気を使わせてしまってすみません。別に怒ったりしないから…安心して」
『秀一君…』
奈由は、呆然と秀一の顔を見つめた。
優しく微笑む秀一の顔は、今日も安定の美しさとかっこよさを放っていた。
「実は幻海師範から、奈由の修行に同行するよう言われたんですよ。驚かせるつもりで、先回りしてましたけど…まさか、仰け反るほど驚かせるなんて思わなかったな…ははっ」
『え!秀一君、幻海さんと知り合いなの?』
「ええ。以前から少し付き合いがあってね」
『そうだったんだ…』
何もかも拍子抜けする話に奈由は、一気に気が抜けて、先程までの半泣き状態とは裏腹に、満面の笑みを秀一に向けた。
『はぁぁ、良かったぁ…。何か安心しちゃった!ってことは、秀一君も1週間、ここに居てくれるってこと…だよね?』
「ええ、勿論。薬草の作り方とか、植物の知識などは、俺から教える予定なので…どうぞ、よろしく」
これから、1週間。
秀一君と一緒に泊まり込みで修行。
なんて、思いも寄らないサプライズ!
修行のための1週間なのに、妙に浮き足立ってしまう自分がいた。