第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
契約を無事に終えてから、数日が経った。
予定通り、期間は1週間。
家族には、友達の家に泊まると伝えて何とか誤魔化した(1週間は長いってメッチャ怒られたけど)
秀一には…
『はぁぁ~~…秀一君に何も伝えずに来ちゃった…』
遂に迎えた、修行初日。
コエンマにもらった住所を頼りに、山道を歩き、寺を目指す奈由。
本来ならば、秀一にはちゃんと伝えてから、修行に来るのが筋だと理解はしていたが
助手のための修行!とは言い出しにくく…結局何も伝えられずに、当日を迎えてしまった。
罪悪感に駆られて、ジワジワと後悔の念が押し寄せてくる。奈由は項垂れながら頭を抱えた。
『あぁぁ~…どうしよ。やっぱり伝えてから来た方が良かったなぁ…』
ここまで来て後悔しても遅いんだけどさぁ…まずいことしちゃったなぁ。
まぁ、帰ったら…事後報告するしかないか。
『それにしても…』
奈由は、ピタリと足を止めて
緑に囲まれた景色を、まじまじと眺めた。
『やっぱり…あの近くだよね』
奈由は、胸元の服をギュッと握りしめ、目を瞑った。
『っ…考えちゃダメ…』
奈由は自分の心に、繰り返し暗示を掛けては、気丈に保とうと精神を落ち着かせた。
暫くして気持ちの落ち着きを取り戻すと『よしゃっ!』と、自分に気合いを入れ直し、再び山道を歩き出した。
舗装されていない道のせいで、キャリーケースがガタガタと音を鳴らして、何とも歩きにくい。
長時間の移動で、だいぶ疲れも出てきたけど、大丈夫!!
これもまた、修行のため!だよね。
そして、暫く歩き進めると
やっとこさ、寺と思わしき場所が見えてきた。
『つ、着いた……って、あれ?』
しかし、ホッと安堵したのも束の間。奈由を待ち受けていたのは、長い長い大階段だった。
『うそ~!?これ登らなきゃいけないの~!?』
見上げるほど高く長い石畳みの階段。
重い荷物を抱えて、これを登ると思うと…なんて過酷なんだろうか。
これも修行の一環だ!と割り切る気力は起きない。
「運びましょうか、お嬢さん」
『……え?』
聴き覚えのある声が、する。
いや、そんなはずがない。
彼は、ここには居ないはずだ。
奈由は、恐る恐る、後方を振り向くと…
我が目を疑った。
『……しゅ……い…ち君…?』
何故。
ここに来ることは
伝えていなかったのに
どうして…
秀一君が、ここにいるの~!?!?