第21話:短期修行の巻
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
コエンマは、飲み干したグラスをテーブルの上に置き、凛とした表情をしながら奈由を見つめた。
その表情に、奈由はおもわず背筋をピシッと伸ばした。
「ただ力を身につけるという目標だけでは、モチベーションが上がらんだろう。こちらとしても、学生の身分であるお前に、タダ働きで助手をやらせるのは申し訳ないと考えていた。そこでだ…報酬として何か1つ、おぬしの願いを叶えてやることにする」
『私の…願い…?』
降って湧いたような、思いもよらぬ、朗報。
願いーーー…と、突然、言われても
すぐには思い浮かばず、奈由は『うーん』と唸りながら考え込んだ。
「はははっ。別に、今すぐ願いを決める必要はない。助手をやりながら…ゆっくり考えたら良いさ」
『それって、どんな願いでも良いんですか?』
「多少の条件はある。例えば…死んだ人間を生き返らせたいとかな。幽助を生き返らせたのは例外だが、基本的には、生き死に関しての願い事などは受け付けられないことになっている」
確かに…。そんなにホイホイ、人を生き返らせることが出来てしまったら、世の中大変なことになっちゃうもんね。
人の死は…再び、新たな生命となって生まれ変わる理り。
私が、木花から…
群青奈由に、生まれ変わったように。
『コエンマさん、有難うございます。じゃあ…もう少しだけ考えさせてもらいます。勢いで願い事を決めて、あとで後悔するも嫌なので…』
「それが良いだろう。それと…もう一つ大事な話がある」
奈由は、一口アイスティーを飲むと、矢継ぎ早に続くコエンマの話に耳を傾けた。
「助手として、仕事をしていくためにも、おぬしは1日でも早く、妖力値をそこそこにまで上げて、且つ安定させる必要がある。治癒能力も開花させねばならん。そこで短期的に修行を行ってもらいたい。いわば…研修みたいなもんじゃ」
『ええ!?修行…ですか!?』
「当たり前じゃ!力の安定しない状態で、実戦に挑んでも本末転倒!絶対無理!おぬしだって、今の状態では助手としての役目が務まる自信はないんだろう?」
『ま、まぁ…それは確かに…』
修行と言われると、何だかとても大変で恐ろしいものだと想像して、妙に緊張が走った。
でも、このままでは助手としての役目は果たせない。
特訓は、必須事項だ。