第20話:嘆きの華
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドガーーン!!
そして…
扉は外れ、鈍い音を立てながら、床に倒れた。
倒れた衝撃で床の埃が舞い、瞬間的に辺りが灰色に染まった。
「ァァァ…」
唸りながら、事務室を見渡す岩本。
螢子達の姿は見当たらない…が、岩本はあるモノを発見し一歩一歩、事務室の中へと足を踏み入れた。
「ククッ…雪村ァァァ隠れても無駄だぞ?用具入れから制服のスカーフが…はみ出ているぞ…ググッ…」
肌骨を驚かすような笑みを浮かべ、岩本達は、掃除用具入れを取り囲むように、立ち尽くした。
そして、大きく腕を振りかざし
ガゴッ!バコ!!バキッ!
一斉に、用具入れに向かって攻撃を仕掛けた。
力の加減など、ない。
一気に叩き潰すように。
岩本は、狂喜乱舞の叫び声をあげた。
「フハハハ!!これで!これでお前ハ終ヮリだ!雪村ァァァァ…ぁあ?」
完全に用具入れを叩き潰した頃…岩本は、やっと気が付いた。
中に、螢子の姿は…ーーーない。
スカーフをわざと挟ませ、あたかも用具入れの中にいるように見せかけたカモフラージュ。
岩本は、床にヒラヒラと落ちていくスカーフを鷲掴みにして、強く握り潰した。
「おのれ…見くびりやがって。どこに逃げた!!雪村ァアアア!!!」
『ここだっつーーーの!!!』
岩本が怒りの雄叫びをあげた瞬間。
奈由の声を合図に、カーテンの裏側に隠れていた3人が、箒を握り締めて現れた。
「どっっりゃ~!!」
「えーっい!!」
3人は人間達に向かい、力の限り箒を振りかざした。
「うぐぁああ!!」
「ぬぉおっ!?」
脳天を貫くような一撃をお見舞いし
人間達は、床に力無く突っ伏した。
『よしゃ!出よう!!』
奈由達は、人間達が油断している隙に、廊下に向かって走り出した。
「ぐぅっ…待てぇ!!」
『っぁあ!?うぅ!』
痛む頭を抱えながら、岩本は素早く起き上がり、咄嗟に奈由の髪を引っ張った。
「は!奈由ちゃん!?」
それに気が付いた螢子は、咄嗟に踵を返して、岩本に向かい猛進し、大きく手を振り上げた。
「奈由ちゃんを……離しなさいよ!!このっっバカァァァ!!」
バチーーーーン!!!
まるでアニメの効果音のような、大きな平手打ちの音が響き渡る。
螢子の平手は、見事岩本の頬に命中。
岩本は目を回して…その場に倒れた。