第20話:嘆きの華
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーー闇雲に
『はぁは、はっ………は、け、螢子ちゃん、大丈夫!?』
「はっはぁ、奈由ちゃ…待っ…っ…はぁっ…くっ」
「螢子ちゃん!奈由ちゃん!急いで!早く!!」
息を切らし、額に汗を滲ませて
今にも襲いかからんとする、死神のような奴等から
彼女達は、必死に逃れようと
ただ、無我夢中で…走り続けた。
「待でぇェぇえエえ!!雪村ァァあア!!」
まるで、何かに取り憑かれでもしたような人間達が、螢子の名を喚き叫びながら、押し迫っている。
おそらく、標的は螢子のみ。
四聖獣のヤツらが、螢子が幽助の幼馴染だと嗅ぎ付けたんだろう。
人間を操り、螢子を襲わせて、幽助の弱みに付け込もうとしている。
何としても、螢子を守らなければ!
「逃がさんぞぉオオ!!ユき村ぁぁアアア!!」
鬼気迫る鬼ごっこから、必死に逃げ惑う3人は、校舎内をひたすら駆け巡った。
既に、体力の限界が訪れている螢子の手を、奈由はギュッと握り締めて、引っ張り上げるように走る。
先頭を行くぼたんは、後方を何度も確認しながら、奈由達の様子に気を配り続けた。
すると、職員室と書かれた表札が、3人の目に留まる。
「入って!」
『螢子ちゃん、こっち!!』
「っつ…!」
ぼたんの瞬時の機転と誘導により奈由と螢子は、飛び込むように職員室へ駆け込んだ。
すぐさま掃除用具を、突っ張り棒がわりにし、扉を封鎖して、一時的に落ち着ける場所を確保する事に成功した。
「はぁぁ~…はぁ…ふ、2人共…大丈夫かい?」
『はぁはぁはぁはっ…くっ…何とか』
一連の出来事に、相当な精神と体力を消耗させ、3人は肩で息をしながら床にしゃがみ込んだ。
これが、本当に現実なの…?
悪い夢でも見てるんじゃないのかな。
「あ……竹中先生!?」
すると螢子が突然、デスクの前に座っている教師の姿に気が付いて、立ち上がった。
どうやら、信頼できる先生のようで
警戒もせず、先生の傍へと駆け寄り助けを求めた。
「竹中先生!!外に大勢……変な人がいて!それに岩本先生まで突然おかしくなって襲いかかってき………え?」
ーーーゴトッ
螢子が、竹中先生の身体にソッと触れると…
竹中先生は、鈍い音を立てながらデスクに、力無く俯した。