第19話: 乙女の迷い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今だよ!奈由ちゃん!!」
『はい!』
プシューーーーー!!
ぼたんの合図に合わせて、殺虫剤を噴射すると、魔界虫は見る見ると弱り、そのまま地面に落ち、微動だにしなくなった。
『はぁ、この殺虫剤…本当良く効くね』
「ふふん。霊界殺虫剤の威力恐るべしだね!」
倒した魔界虫は、これで15匹目。
数千匹の中の15匹と考えれば、焼け石に水だが、奈由自身は、虫退治に慣れつつあった。
神経は磨り減るけれど、多少なりとも、ぼたんちゃんの力になれている…そう思えばこそ、不思議と心に自信が湧き、且つヤル気も漲った。
「あ、そうだ!そろそろ、幽助に1回連絡してみるかな」
『連絡?どうやって?』
ぼたんは、胸ポケットに手を入れると、そこから小さなコンパクトを取り出した。
見た目は手鏡のようだが、蓋を開いてみると、モニターの付いた通信機だった。
すると、すぐさまモニターに映像が映し出され、ぼたんは画面に向かって呼び掛けた。
「幽助!こちら人間界のぼたん!どうぞ!」
「おう!って………お、おい!?何で奈由がいるんだ!?」
画面の向こうに、映し出された幽助の姿。
向こう側からも、こちらの様子が映し出されているようで…ぼたんの隣に映る奈由の姿に、幽助は目を丸くして驚いた様子を見せた。
『幽助君…久しぶり…』
「久しぶりってお前…何でぼたんと一緒なんだよ!?一体、何が…っておいおい!?何すんだよ蔵…」
突然、幽助側の映像が大きくブレた。
どうやら、誰かにコンパクトを取り上げられたようで、幽助ではない…違う人物が、モニターに映し出された。
神妙な面持ちを浮かべるその人物の登場に…奈由の頭の中は、一瞬にしてフリーズした。
「…何をしているんですか」
想定外だった。
まさか、画面越しに会った彼が
まさか、こんなに怒った顔をしているなんて…
『しゅ、秀一君…!?』
こ、こ、こわいよ~~~!!(涙)