第18話:霊界からの知らせ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
帰路を歩む奈由は、商店街まで足を運んだ。
少し気を紛らわせよう!
ずっと気になってた漫画とか、新しいお洋服なんかも探したりして…ちょっと楽しいことをして、心をリフレッシュさせよ。
だが
気は紛れるどころか、歩めば歩むほど、全身に違和感が感じた。
『これって、まさか…』
この感覚は、間違いない。
ーー妖気だ。
妖怪が、近くにいるんだ。
剛鬼の時と似たような…不吉な感じ。
一瞬、足腰が竦みかけたが、奈由は、しっかりと周囲に意識を向けて、嫌な気の根源を辿った。
『え。まさか、ここ…!?』
妖気を辿り、見つけた場所は、商店街にある、建物と建物の隙間。
その隙間は、人1人が入れる程度の幅で
奥を抜ければ、簡素な袋小路に繋がっている。
地元では、不良の溜まり場として有名な場所だった。
『何でこんなとこから…』
場所が場所だけに、入る勇気が湧くわけもなく、遠目に路地の隙間を見つめた。
不良の溜まり場から、妖気を感じるなんて…近寄ったらどうなるか分かったもんじゃない。
それに
私が行ったところで
何が、出来るわけでもない。
『関わらないのが身の為…だよね』
見て見ぬ振りをすることに、わずかな罪悪感を感じつつも、奈由はその場を離れようとした。
しかし
「た、助けてぇぇ!」
『えっ!?』
今…人の声が聴こえてきた?
怯えるようなその声は…
妖気に満ちたこの路地の向こうから…聴こえてきたが気がする。
助けをーー呼ぶ声が。
『…っ!!』
奈由は路地の隙間に、足を踏み入れた。
地面には、タバコの吸い殻や酒の空き瓶。お菓子や食べ物のゴミの山。
この道の向こうに、地獄が待っているのだと、示唆するようだ。
奈由は、無我夢中で掻き分けるように進んだ。
その先に助けを求める人がいるならば…見捨てるなんて、絶対出来ない!
『なっ…!』
路地を抜け現れた簡素な袋小路。
そこでは
2人の男が、しゃがみ怯える人を囲っている。
緊迫した状況。
男達は背を向けていて、どうやら奈由に気が付いていないようだ。