第18話:霊界からの知らせ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
腕を前に組みながら、金網にもたれ掛かり…遠い目で青空を見上げた。
あの頃
前世に想いを馳せれば、自然と胸が躍る。
だが、それと共に
胸が…強く、締め付けられる。
木花と路を分けた最期の時
目を背けたいほど、あまりに残酷な記憶。
血塗れで死にゆく彼女の姿が
秀一に生まれ変わった今でも
この目に、焼き付いて離れない。
《まだ、一緒にいたい》
死にゆく間際の最期の言葉。
木花…その想いは叶ったよ。
生まれ変わった君と
生まれ変わった俺は
今、同じ時代を生きている。
だが…折角
君と運命を交わらせたというのに
また、あの日のような悲劇を繰り返してしまわないかと…俺は、怯えているんだ。
「さて、蔵馬。本題に入ろうか」
コエンマの言葉で、一気に現実へ引き戻された。
ーーー本題
それがどういった話なのか、蔵馬には検討が付いていた。
金網にもたれていた身体を起こし、コエンマの前に立つ。
これから言われる言葉を、真摯に受け止めようと…覚悟を決めた表情で。
「霊界裁判の判決を言い渡す」
『え?帰ってこなかった?』
生徒達が、部活や帰宅に向けて、賑わう放課後。
奈由は、A組へと足を運んだ。
秀一のことが気に掛かり訪れてみたが、そこに秀一の姿はなかった。
A組の男子生徒に尋ねてみたところ、その応えに奈由の心は、益々不安を掻き立てられた。
「ああ。昼休みが終わっても教室には帰ってこなかったよ。たまにそういうことあるんだよな~、あいつ」
『そ、そうなんだ…』
「南野に何か用でもあったのか?」
『そういうわけじゃないんだけど…ごめんね!ありがとう!』
動揺した心を悟られまいと、奈由は足早にA組を後にした。
『秀一君、どうしたんだろう?コエンマさんと何かあったのかな…』
私が先に教室へ戻った後
2人は、どんな話をしたんだろう?
私が教室に戻る直前の2人の雰囲気…何かおかしかったよなぁ。
私に聴かれたらマズイ話でも…してたのかな。
何でかな…凄く、凄く不安。
この胸騒ぎは、一体何なんだろう。