第18話:霊界からの知らせ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「奈由が、元妖怪であることを霊界は既に認知しておる。それも、治癒能力に長けた力を持つ妖花族の長…木花であったこともな」
「…っ」
そこまで、調べが付いているのか。
全てお見通しと言わんばかりのコエンマの態度に、秀一は顔を歪めた。
「……蔵馬のいう通り、確かに今の奈由には、妖力を上手く使い熟すだけのスキルも経験も足りん。だが、この短期間で妖力を急激に高めていることもまた事実。伸び代は大いにある。素質も十分。治癒能力を身に付ければ、きっと幽助の力になってくれるだろう。そう見込んでいる」
『え…』
蔵馬と視線を合わせていたコエンマが、奈由の方へと向き直した。
コエンマの表情はとても真剣で、奈由は、コエンマから目を逸らせなくなった。
「まぁ…蔵馬がどう言おうと、最後に決めるのは奈由だ。どうだ?霊感探偵助手として、力を尽くさないか?」
『わ……私…は…』
嫌だ。
とは、言えない。
嫌だ。
とも、思わない。
むしろ、心のどこかで…
ワクワクしている自分さえいる。
心の奥深くで疼くその好奇心が
奈由を、新しい世界へと誘おうとしてくる。
心の赴くままに
引き受けてしまおうか。
『っぁ…』
ーーーーだけど
それを、秀一君が望んでいない。
裾を掴んでいたはずの私の手を…秀一君が手繰り寄せて握り締めてくる。
そうか。
秀一君は、これ以上
私が危険に近づく事を避けたいんだ。
そう……思ってくれてるんだね…。
『コエンマさん、ごめんなさい。私、助手にはなれません。せっかくお声掛けしてくれたのに…応えられなくてごめんなさい』
奈由は、深々と頭を下げた。
コエンマは、真摯に謝る奈由の姿に、おもわず関心を覚えた。
そう思いつつ、残念交じりの溜め息をひとつ漏らした。