第17話:初めて呼ぶ、君の名
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「本当に…貴女には、どれだけ言葉を尽くしても、感謝を伝えきれませんね」
『あははっ、別に大したことしてないよ私!』
南野は、手をブンブン振りながら照れ隠しする奈由の姿見て
意外と子供っぽい表情をするんだなと、少々驚いた。
素直なその反応は、とても微笑ましく
そして…愛らしいとさえ感じた。
「それと、学校のプリントまで届けに来てくれたんですね。母さんから聞きました」
『あっ』
そんなこともあったね。
何だか、遠い昔のように感じる。
今にしてみれば、A組の先生に感謝だな。
プリントを届けた事が、志保利さんに出逢うきっかけになったのだから。
『ごめんね、病院まで押し掛けちゃって。それに…よく考えてみたら、馴れ馴れしく志保利さんなんて呼ぶのマズイかな?』
「いや、全然良いんですよ。母さんも…貴女に逢えて喜んでました。それと、また会いたいって」
『本当?私も、また会いたいな!』
「ありがとう。母さんに伝えておくよ。群青さんも会いたがってたって…」
ーーー…群青さん
呼ばれた名前の響きに、妙な違和感を感じる。
いや、違和感というよりも
ただ単純に…
苗字で呼ばれることに、距離を感じる。
少し寂しい。
あの人のことは、名前で呼ぶのに。
木花ーーーって。
「群青さん」
『え!?』
ボーっとしながら、卵焼きを口に含んだ瞬間だった。
再び名前を呼ばれて、奈由は肩をビクつかせた。
「こんなことを今更言うのもなんですが……もし、貴女さえ嫌でなければ…これからは、名前で呼んでも良いですか?」
『な…名前?』
「ええ」
『木花って?』
「いや、その名前ではなく…奈由と…呼んでも良いですか?」