第17話:初めて呼ぶ、君の名
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
急激な焦りと気まずさを感じ、キョロキョロと目を泳がせては、南野に視線を送った。
すると暫くしてから、南野がゆっくりと口を開いた。
「……すみません」
『ぇえ!な、何が!?』
「いや、何だか…つい緊張してしまって。話したいことも、聞きたいこともあるはずなのに…貴女の顔を見ると上手く言葉が、みつからなくて…」
そ…………っか。
南野君も、私と同じで緊張してたんだ。
同じーーそう思うと
少しだけ親近感が湧いて、徐々に想いを言葉にできる様になっていった。
『私もね、色々話したいこと…あるんだけど……その…少し緊張しちゃって…』
「同じ…ですね」
『だね』
2人は、視線を交じわせ微笑んだ。
緊張してたのが、馬鹿らしくておかしく感じる。
そこから、次第に緊張が解け、食事を取りつつ、自然と会話を弾ませていった。
「首の包帯、取れたんですね」
『うん。おもったより治りが早かったの。跡も残らなかったよ』
首の包帯ーーー剛鬼に首を絞められて出来た痣は、跡形もなく消え無事完治した。
スッキリとした首元を見て、南野は安心したようだ。
「良かった……本当に」
『心配かけてごめんね。あの…志保利さんはその後、体調どう?元気かな』
「実は昨日、無事に退院したんですよ。あれから順調に回復して、おかげさまで…すっかり良くなりました」
『え!本当に!?あぁ…良かった』
奈由は、心底安堵し、大きな息を漏らすように言った。
本当に、本当に、本当に良かった。
自分のことのように嬉しい。
「もっと早く知らせたかったんですけど、色々と後処理があってね。なかなか学校に来れなかったので、事後報告になってしまいました」
『ううん、ありがとう。教えてくれて』
「…本当にすみません。結果としては大丈夫だったけれど、貴女を危険に巻き込んでしまい、申し訳なかったです」
『何言ってるの!そんなこと全然良いんだよ!志保利さんが、元気に回復してくれたならそれで!』
危険な目にあったことなんて
大変だったことなんて
もう、どうだっていいの。
全て、結果オーライ。
志保利さんが今、元気でいる。
生きてくれている。
それだけで、全てが報われて奈由の心は倖せに包まれた。