第15話:月夜の願い 前編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『一昨日、南野君が…妖怪と一緒にいるところを…森で見かけたの…』
何故、浦飯幽助と一緒に居たのかを問いただすと、彼女はゆっくりと話し始めた。
浦飯幽助と出逢ったのは、偶然だったと語る彼女の横顔を少しだけ覗き込んだ。
そこには
木花と群青奈由の2つの人格の間で揺れ動く、
儚げな彼女の姿があった。
…よく見ると、首元に包帯を巻いている。
そこから微かに感じられる…木花とは別の妖気。
これは、剛鬼…のモノだ。
まさか、怪我を………負わされたのか…?
「………っ…」
また…か。
何故なんだ。
前世も今世も
妖怪でも人間でも
どうして、どうして俺は
君を守れない。
どうして、俺は君を傷つけるばかりで
君を守れない。
ただ…ただ…
ーー君と笑い合えればと願っただけなのにーー
そんな些細な倖せさえも、俺には、許されないのか。
「行かないで…下さい」
もう、これが最後だ。覚悟はできている。
『南野君……離して』
俺は…この世を去る。
「嫌です」
手離すさ。君という存在を。
だけど、せめて…今だけ。
今この瞬間だけ、俺に君をください。
「………木花」
君の名前を呼ぶことだって、もう叶わない場所へ…
行かなくてはいけないから。