第15話:月夜の願い 前編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、再び彼女と出逢う事となる。
まさか、彼女自ら俺に逢いにくるなんて…全く予想もしていなかった。
教室の片隅で、本を読む俺に声を掛けるか、掛けまいか
友人らしき人物と言い争っている彼女。
俺は、また彼女に出逢えたのが
正直なところ嬉しくて…我慢ならずに自ら声を掛けた。
転生に失敗した。
頭では理解していても、その事実を受け入れることは、容易ではなかった。
もしかすると、人間として生きた時間が長くなりすぎて、一時的に忘れてしまっただけ…。
過去の話をすれば、何か想い出せるかもしれない。
まだ悲観するには早い。
俺はそんな淡い期待を抱き、再び、彼女と接近した。
『うん、じゃあ…木花って…誰ですか?』
核心をついた質問を投げかけられた時は、一瞬固まってしまったな。
遠慮気味に聞く彼女は
群青 奈由という人間に転生していた。
同じ高校の…同級生。
同じ校舎の中にいたのに、気付かなかったとは。
まぁ、あれだけ弱り切った妖気では…無理もないか。
「木花は、群青さんの前世の名前です。俺にとって…大切な人でした」
想い出してくれ。どうか、少しでも。
そう頭で唱えながら
俺は彼女に、木花と蔵馬の話を包み隠さず聴かせた。
愛に満ちた日々と、あまりに残酷すぎる最後も
彼女の記憶を、どれかひとつでも掬い上げようと…全てを話した。
だが
『ごめん…信じられないや。やっぱり』