第15話:月夜の願い 前編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「秀一、さあ帰りましょう」
「うん」
母に手を引かれて、何度も歩いた散歩道。
今ではとっくに追い越してしまった身長も、あの頃はまだ母の腰元にも届いていなかったな。
その目線から見上げる
母の優しい顔が…俺は好きだった。
「まぁ、秀一見てごらん。桜が綺麗ね」
吹き上げる風で、その季節の桜が宙に舞った。
美しく散る花びらを、母と眺めながら
俺は、あの名に語り掛ける。
「木花…」
妖力が回復したら、必ず君を探し出す。
…再会を果たすその時まで、俺は、諦めない。
だから、どうか
ーー待っていてくれ……木花。
そう心に、誓いを立てては、何度も何度も季節を巡った。
そして、気が付くと
俺は、南野秀一に生まれ変わり
15年の歳月を経ていた。