第14話:月夜の訪問者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋に入ることなく、私は思いっきりドアを閉めた。
今……部屋の中に、誰かいなかった?
『気のせいかな…?』
奈由は、目の錯覚だと自分に言い聞かせ、恐る恐る再度ドアノブを捻ろうとした。
きっと、気のせいだ。何もいるはずない。
ガ…チャ…
「おい、どうした。早く入っ」
バタン!!!!!!!!
『お、お、お、お、お母さぁああああん!!!』
半べそかいた奈由は勢い良く階段を駆け降り、キッチンにいる母にしがみついた。
突然の奈由の発狂に、母は驚いた様子を見せた。
「へ!?なになに!?どうしたのよ!?」
『へ、へへへ…やのやのややのななな中に!』
「落ち着け」
『だ!誰かいる!変な人がいるの!!』
「ぇえ!?」
母は、異様なまでに怯える娘の肩を抱き空いた片方の手で、オタマを握り締めながら、シーン…とした階段を見つめた。
「どんな人がいたの?」
『お、大人の…男の人だったんだけど…』
「お、男?」
『お、お、大人なのに…おしゃぶりしてた!!』
「は!?」
そ、それは…いわゆる変質者ってやつか。
奈由母は、恐る恐ると階段を上がった。
後ろから母の服を掴み、奈由も二階へと上がる。
「ふぅぅぅ…」
部屋の前に着くと大きく息を吐き、母はドアノブに手をかけた。
オタマを頭上より高く掲げ、いつでも攻撃できる体勢を整える。
………よし、いざ!!!!
バンッッッ!!!
「……あら?」
意を決して入った部屋の中。
特に何の変哲もなく、誰かがいた形跡もない。
「誰もいないじゃない」
『嘘!?確かにいたはずなのに…』
「え~?」
母は、ベッド下、クローゼットの中、窓の外と念入りに確認する。
…やはり、誰かが居た形跡は感じられない。
「昨日せいじゃないの…?」
『そ、そんなぁ…』