第13話:母と子の絆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そう…。あの子、学校生活の事はあまり話してくれないから、少しでも知れて良かったわ」
本当に最小限の情報しか言っていないのに(というか、そのくらいしか私も知らない)それだけでも、志保利さんは、とても嬉しそうに微笑んだ。
『あの…逆に聞いても良いですか?』
「あら、なぁに?」
『南野君って…普段はどんな子なんですか?』
素朴な疑問だった。
奈由とは違い、前世の記憶を持ち合わせて生まれてきた南野秀一。
一体、【妖怪】であることを
どのように受け止め
どのように【人】として生活してきたのか。
とても、気になる。
「そうね。秀一は……子供の頃から、やけに大人びてる子で。いつも、私のことばかり気にかけてくれて、自分の事は二の次。今も昔もずっと変わらず、とっても優しい子ね」
目をそっと閉じ、何かを想う志保利。
奈由は、志保利の言葉を真剣に聴き入った。
「秀一の父親…私の夫は、早くに亡くなってしまったの。それからは、秀一とは二人三脚で生活をしてきたわ。私が仕事で、帰りが遅くなる日があれば、料理を作って待っていてくれたこともあったわ。
弱音なんて一切吐かずに、いつも…私の事を支えてくれていたの」
……まさか
お父さんが亡くなっていたなんて。
南野君の気持ちと状況を考えると…
想像がつかないほどの絶望や、悲しみ。
ましてや母親まで病気だなんて。
考えるだけで、胸が苦しい。
そんな中でも、彼は
一生懸命に勉強も…頑張って
お母さんのお世話もしながら…
誰も待っていない、あの大きな家に
……1人、帰っているんだ。