第2話:矛と盾と南野君
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捉まれた左腕を強引に振り払い、怒りを込めて屋上の扉を思いっきり開いて閉じた。
『何なの…!?あいつ!』
何故だか、無償に腹が立った。
誰と勘違いしてるのか知らないけど、失礼な話だわ!
誰だよ!その、木花ってのはぁーーー!!
「あ、帰ってきた。意外と早かったな」
「奈由、どうだった…って…どうした!?」
教室に戻ると沙希達は、すぐに奈由の鬼の形相に気が付いて駆け寄ってきた。
「どうしたの?何か言われたの?」
『知らない女の名前』
「は?」
『私を…誰かと勘違いしてたみたい』
奈由は、荒々しく席に着席し
珍しく次の授業に使う教科書などを準備し始めた。
何かしていないと落ち着かない。
「…奈由がそんなにキレるってことは相当だね」
「うーん。なかなか罪な男だねぇ…南野君」