第13話:母と子の絆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『えっと…2丁目の3番地の…』
自分の家とは、真反対の方向にある南野の住所。
メモを頼りに進みながら『これが南野君の通学路なのか~』などと
呑気に考えながら、歩みを進めた。
『………あ。あった』
目の前にある一軒家に【南野】と書かれた表札。
表札をジッと見つめた後、目線を上げて、家全体を見渡した。
ここが、南野君の家か。素敵なお家だなぁ。
『これは…何の木だろ?大きいなぁ…』
庭には、家の中庭にしては立派な木が立っている。
『は!そんなことより、プリントプリント…』
つい、ボーと見つめてしまい本来の目的を忘れかけた。
このインターホンを鳴らしたら…み、南野君が…。
奈由は、震える指をインターホンの前に突き出す。
緊張で、なかなか押せない…。
『落ち着け…落ち着け、私…大丈夫…』
よっし!!
ピーンーポーーーーーン…
ピンポーーーーン…
『留守…か…』
心なしか、安堵する。
しょうがない。プリントはポストの中に…
『………』
家にいないってことは、きっと病院かな。
このプリントをポストに入れれば
私の役目は全て終わりだけど
こんなことでもなければ、南野君に会う口実なんて…きっとない。
逢いたいけど、逢いたくない。
だけど、とても、逢いたくて。
一昨日の出来事が脳裏に焼き付いて離れない。
南野君には関わらないと、あんなに固く誓ったはずなのに
私の箍は、どんどん外れていく。
私は、プリントを鞄に戻し、南野君の家を後にした。