第13話:母と子の絆
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
教室の前まで到着し、奈由は恐る恐る、教室の中を覗き込んだ。
すると、今か今かと待っていた沙希達が、鬼の形相で迫ってきた。
「奈由!もーう!」
「ちょっと~!!奈由!!どこ行ってたの!?ずぅっっと待ってて急いでお弁当食べたんだからね!?」
『ごめんごめんごめんごめん!本当にごめんなさい!!!』
「いーや!許さない!理由をちゃんと説明してもらわない…と…」
沙希達は、合掌ポーズで平謝りする奈由を叱りながら
ふと、奈由の隣に、誰かが立っていることに気が付き
ふいに、視線をそこに移した。
「ちょ…えっ?」
「…え!?み…南野君!?」
廊下の壁が死角になって、気が付かなかった。
街で突然、奈由を抱き締めた逸話を残す…あの南野秀一。
そんな人が、何故今になって…奈由と、一緒にいるのか。
全く理解できず、パニックに陥った。
「俺が、無理に連れ出したんです。本当にすみません」
「え…そ、そうなの?奈由」
『え、えっと…う、ぅん……』
詳しい経緯の説明は省かれていて、いまいち状況が理解できない。
頭にクエスチョンマークを浮かべて、混乱する沙希達の様子を見た南野は、軽く微笑んで言った。
「…群青さんのこと、これからもよろしくお願いします」
「え?あ……う、うん?」
ポンッ
南野は、奈由の背中に優しく触れると
踵を返し、A組方へと歩いて行ってしまった。
奈由は、南野が突然自分から離れて、妙な喪失感を抱いたが、何も言わずに、彼の背中を見送った。
ーー南野君…。
「ちょちょちょちょ!?奈由どういうこと!?」
「何が起きたの!?説明しろー!」
「っていうか、南野君やっぱ近くで見るとかっこいいわ!この倖せ者~!」
「全部説明しないと許さないからね!」
『ちょっちょ、ちょっと!!質問攻めしないでよ~!ごめんってばぁあ!』
先程までの、怒りはどこへやら。
突然現れた南野秀一の姿に大興奮する一同。
怒涛の質問攻めにあうも、奈由はのらりくらりとかわしながら
その日は、ずっと上の空で1日を過ごした。