第12話:温もり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『一昨日、南野君が…妖怪と一緒にいるところを森で見かけたの…』
南野は一瞬、表情を歪めた。
しかし、声を上げることもなく
ただ黙って、奈由の言葉に耳を傾けた。
『剛鬼…って妖怪を街で見かけてつい、追いかけてしまったの。そこで、南野君達が秘宝を盗んだって話してるのも聞いた。幽助君と会ったのも…その時』
「昨日、一緒にいたのは…」
『それは…私がまた剛鬼近づいて…危ないところを助けてくれて……うん…』
再び訪れた、長い沈黙。
何も、喋らない。何も、しない。
気まずすぎる空気が、とてつもなく辛い。
奈由は…残りのパンを頬張りカラカラになった口の中を
潤おすことを言い訳にして
その場から、立ち去ろうとした。
これ以上、一緒にいちゃ、ダメ。
関わらないって…決めたんだもの。
『私…喉も乾いたし、飲み物買ってそのまま、教室戻るね。本当に…あの…』
「……」
『色々ごめんなさい。ごちそう…さま…』
奈由は、乾いた笑みを浮かべながら、しどろもどろに言葉を紡いだ。
足早に去ろうと、立ち上がり
南野の姿を、視界に入れずに、ドア目掛けて、一歩を踏み出した。