第11話:溢れた葛藤
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「首、見せてごらん」
2人は、家の近くにある河川敷に腰掛けた。
街灯の明かりを頼りに、ぼたんは、奈由の首の痣を確認する。
「…痛かったよね」
『…うん』
「包帯、巻いておいてあげようかね」
ぼたんは、袖口に入れていた包帯を取り出して
奈由の首に、巻きつけようとした。
奈由は、巻いてもらいやすいように
タートルネックの首元を織り込み、少し顔を上に向けた。
『幽助君は…?』
「幽助は、怪我の治療をして今は、ゆっくり家で休んでるよ」
『あ、なら良かった…』
「………」
ち、沈黙が…辛い。
奈由は、気まずさを感じ、何でも良いから喋ろうとするが
考えれば考えるほど…言葉が出てこなかった。
すると、それを察してか、ぼたんが先に口を開いた。
「あたしのこの姿を見ても…驚かないんだね」
『……あ…』
そうだよね。
ぼたんちゃんのこの姿を見たら、普通は驚くよね。
だけど、初めてではなかった奈由は、悲鳴をあげることも
驚くこともせず、受け入れた。
二の句に継げない奈由を、見兼ねて、ぼたんはそのまま喋り続けた。
「霊感が強いって、この前話してたけど…もしかして本当は見かけてたんだろう?私と幽助が、幽霊だった姿を」
『……ごめん。言わなくて』
ぼたんは、突然の奈由の謝罪にキョトンとした後、おもわず吹き出してしまった。
それと同時に、包帯を巻き終え奈由は、首元を整え直した。
「はははっ!何を謝ることがあるのさ?別に奈由ちゃんは、何も悪いことしてないだろ?」
『でも…色々、誤魔化すような話し方してたし…ごめんね…』
「そりゃ、幽霊の姿を見てました~!…なんて普通、言えないよ。むしろ、何も聞かずにいてくれたのは、こちらにとしても有り難かったんだ。だけど…奈由ちゃんに、確認しておきたいことがあるんだ」