第11話:溢れた葛藤
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
コンコンッ
『っ!?』
ノックの音が聞こえ、奈由は反射的に身体を起こし
思わず、首元の服を掴みながら、ドアに目をやった。
コンコンッ
『…ん?』
もう一度鳴らされたノックの音。
2回目の音で、奈由は気が付いた。
…これは、ドアじゃない。窓の方から聞こえてる。
ここは二階。
どんなに長身の人でも、絶対に届かない高さ。
奈由は、立ち上がり
恐る恐ると、カーテンに手を掛けた。
『……ぼ…ぼたんちゃん!』
そこには、ぼたんの姿があった。
ただ、先程まで一緒にいたぼたんとは、異様な程、様子が違っている。
今目の前にいる、ぼたんは着物を着て、櫂に乗り、宙に浮いているのだ。
一見すると、妙な格好をしているが
奈由は、さほど驚かなかった。
何故なら、ぼたんのことを、まだポニーテールちゃんと呼んでいた時に、既に見かけていたスタイルだからだ。
奈由は、窓の鍵を開けた。
『ぼたんちゃん…どうして私の家が分かったの…?』
「ふふふ。ちょっとね。それより奈由ちゃん…少しだけ、2人で話をしないかい?」
突然のぼたんの誘いに、奈由は一瞬戸惑った。
ぼたんの目が、まるで全てを
知っているような…そんな目に見えたのだ。
見透かされている気がして、躊躇したい気持ちが過ったが
奈由は、首を縦に頷かせた。