第10話:覚醒の初期段階
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぐぉああああああああ!!」
剛鬼の断末魔の叫びと、その場を覆い尽くす光で目の前が眩んだ。
ぼたんと肩を寄せ合い伏せていた奈由は
辺りが静まり返ったと気が付き、ソッと目を開けた。
「あぃっててててて…」
『ゆ、幽助君…』
目の前にはボロボロでしゃがみこんだ幽助の姿。
片手には、餓鬼玉を持っている。
もうそこには…剛鬼の姿はない。
やっと、取り返せたんだ。
「幽助!大丈夫かい!?」
「いつつつつ…大丈夫だ。何とか取り返したぜ…」
ぼたんは、幽助に駆け寄り、身体を支えた。
怪我を負っているが、取り返した安堵からか、2人の表情は綻んでいた。
良かった。本当に。
本当に……
『は…はぁ…はぁ…はぁはっは…』
「……奈由ちゃん…?」
「お、おい。奈由…ど、どうした!?おい!」
ーー私、さっきなんて…
『はぁっはぁ!うっっはぁ…』
「しっかりしとくれ!奈由ちゃん!!」
「おい!奈由!ゆっくり、息吐け!」
突然の過呼吸に見舞われた私は
2人に背中をさすられながら
身体の落ち着きを取り戻そうとした。
私は、自分に怯えた。
もう1人の存在を…自覚してしまったから。
ーーー私は…木花なのだと。
〜続く〜