Eternal Lovers
あたしは一端グラスを置いて、ゆっくり深呼吸をした。
で、上目がちに事態の元凶をにらみつけてみる。
案の定、涼しい顔で「どうかしましたか?」なんて言ってるけど。
「ねぇライ、あたし言ったわよね。『相手が誰だろうと、一生結婚するつもりはない』って」
「えぇ、聞きました」
「だったら、なんで!?たとえ貴方でも、あたしは結婚なんかしないって言ったじゃない!!」
思わず、声が裏返ってしまった。
幸い、食事時で騒がしい中じゃ、誰もあたしたちのことなんか気にしないけど。
ライは、思わずテーブルに勢いよくついたあたしの手に、自分の手のひらを重ねて、「とりあえず、落ち着いて下さい」と困ったような笑みを浮かべた。
「ですから、『一緒に暮らしましょう』と言ったんです。別に、結婚しなくたって構いません」
「でも…あたしたちがそれで良くても、世間からしてみれば可笑しいでしょ。結婚してない男女が、妹も一緒に暮らしてるなんて。
結婚したくないのはあたしの我が儘だけど、それであなたまで色々言われたら…」
世間からすれば、ライは若くしてここまでの実力を身につけた、天才術士だ。
しかも、皇帝直属部隊の一員で、皇帝本人の従兄でもある。
見た目もそれなりに良いし、軽歩隊の後輩に紹介してくれってせがまれたこともある。
そんな男が、まともな結婚もせずに、あたしみたいな女と一緒に暮らそうなんて。
きっと、とんでもなく勿体ないことに違いない。
いつの間にか感情的になって、泣きたくもないのに涙が溢れてきた。
彼はそっと、あたしの目元を指で拭って、「言いたい人には言わせておけばいいですよ」と苦笑した。
「誰がなんと言ったところで、わたしが好きなのは貴女ひとりです。ずっと一緒にいたいと思うのも。
目に見えて結婚してなくなったて、わたしは貴女を愛しています。貴女に愛されています。それ以上の幸せなんて、ないじゃないですか。
これはわたしの我が儘ですよ。貴女と、少しでも近くに居たい。全てを分かち合いたい。それが、わたしの考えつく精一杯の贅沢です」
あたしが顔を上げると、彼はひどく優しい笑顔だった。
温かかくて、痛ましいほどに切なくて…それは、紛れもなくあたしにとって、掛け替えのない大切な人。
「…当然、メアリーも一緒よね?」
「えぇ、そのつもりです。2人きりでないと、嫌ですか?」
「その逆よ。メアリーが居なきゃ、あなたと暮らしたって意味なんかなじゃい」
「言うと思いました。…良いですよ、わたしはメアリーのおまけで」
「…もうちょっと、プロポーズの場所と言葉を考えてくれたら、あたしの中で一番にしてあげたのに」
小さく呟いた言葉が、重なる食器の音や、楽しげな会話の中にとけ込んでいく。
ここにいる誰もが、あたしたちの会話の内容なんか、察するわけがない。
でも、それが彼らしい…そう思うと、すべてに納得してしまった。
で、上目がちに事態の元凶をにらみつけてみる。
案の定、涼しい顔で「どうかしましたか?」なんて言ってるけど。
「ねぇライ、あたし言ったわよね。『相手が誰だろうと、一生結婚するつもりはない』って」
「えぇ、聞きました」
「だったら、なんで!?たとえ貴方でも、あたしは結婚なんかしないって言ったじゃない!!」
思わず、声が裏返ってしまった。
幸い、食事時で騒がしい中じゃ、誰もあたしたちのことなんか気にしないけど。
ライは、思わずテーブルに勢いよくついたあたしの手に、自分の手のひらを重ねて、「とりあえず、落ち着いて下さい」と困ったような笑みを浮かべた。
「ですから、『一緒に暮らしましょう』と言ったんです。別に、結婚しなくたって構いません」
「でも…あたしたちがそれで良くても、世間からしてみれば可笑しいでしょ。結婚してない男女が、妹も一緒に暮らしてるなんて。
結婚したくないのはあたしの我が儘だけど、それであなたまで色々言われたら…」
世間からすれば、ライは若くしてここまでの実力を身につけた、天才術士だ。
しかも、皇帝直属部隊の一員で、皇帝本人の従兄でもある。
見た目もそれなりに良いし、軽歩隊の後輩に紹介してくれってせがまれたこともある。
そんな男が、まともな結婚もせずに、あたしみたいな女と一緒に暮らそうなんて。
きっと、とんでもなく勿体ないことに違いない。
いつの間にか感情的になって、泣きたくもないのに涙が溢れてきた。
彼はそっと、あたしの目元を指で拭って、「言いたい人には言わせておけばいいですよ」と苦笑した。
「誰がなんと言ったところで、わたしが好きなのは貴女ひとりです。ずっと一緒にいたいと思うのも。
目に見えて結婚してなくなったて、わたしは貴女を愛しています。貴女に愛されています。それ以上の幸せなんて、ないじゃないですか。
これはわたしの我が儘ですよ。貴女と、少しでも近くに居たい。全てを分かち合いたい。それが、わたしの考えつく精一杯の贅沢です」
あたしが顔を上げると、彼はひどく優しい笑顔だった。
温かかくて、痛ましいほどに切なくて…それは、紛れもなくあたしにとって、掛け替えのない大切な人。
「…当然、メアリーも一緒よね?」
「えぇ、そのつもりです。2人きりでないと、嫌ですか?」
「その逆よ。メアリーが居なきゃ、あなたと暮らしたって意味なんかなじゃい」
「言うと思いました。…良いですよ、わたしはメアリーのおまけで」
「…もうちょっと、プロポーズの場所と言葉を考えてくれたら、あたしの中で一番にしてあげたのに」
小さく呟いた言葉が、重なる食器の音や、楽しげな会話の中にとけ込んでいく。
ここにいる誰もが、あたしたちの会話の内容なんか、察するわけがない。
でも、それが彼らしい…そう思うと、すべてに納得してしまった。