「Glory」
「スネイル元帥閣下に対し、敬礼!!!!」
ーーーーザッッ・・・・
列の最右翼に立つ指揮官の軍刀が振り降ろされた瞬間、
整列した儀仗隊が一糸乱れぬ見事な動きを見せて槍を掲げ、
頭を下げるスネイル未亡人と元帥杖に対し最敬礼を行う。
流れる調べが戦太鼓から栄誉礼のものへと切り替わる中、
フェルナンドの脳裏に先程のうたた寝の際に浮かび上がった情景がよぎった。
(・・・・・これで良い。真に救国の英雄たるスネイルが名実共に英雄たる資格を得た)
かつて自身の出世を目指していた時には味わえなかった感慨がフェルナンドの胸をいっぱいに満たす。
(これで良かったでしょうか、ライブラ先生・・・・・不肖の教え子は何とか上手くやれたでしょうかーーーー)
気づけば心の中で亡き恩師に向かい語りかけていた。
“ーーーースネイルやキグナスの生き様を後の世に伝え、世に埋もれさせないことだ。
そして彼等の名誉を回復させ、彼等の分まで自分を滅し国に尽くすこと。
これがお前のこれから歩むべき道ではなかろうか”
”・・・英雄伝は暫くお前が持っておれ。
新たな“英雄”の名前が刻まれるその時まで。
これからもお前の人生を導いてくれる筈だ“
フェルナンドに恩師ライブラが示した生前最後の言葉。
この言葉が今の今までフェルナンドを導いてきたといっても過言ではないーーーー