「Heros」

【その後第2次“鷲の巣”要塞攻防戦までのフェルナンドの歩みを、 彼の“独白”や“回想”からではなく、後世の“歴史書の記録”に従って追っていきたい――――】




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帝国暦213年ーーーーー

フェルナンド、南方軍総司令官に任命され、
要塞“鷲の巣”の復旧の任務も担って南に赴任。


これまで望んできた出世とスネイルに次いでライブラに繋がる人間の左遷という意味合いを悟りながら、
フェルナンドはナゼールの地に赴く。


与えられた兵員は世界各地の問題ある兵士が大半という構成であり、

この中には自らの妻・夫の遺骨収集を目指す傭兵パーシアスやホーリオーダー・マリア、

父キグナスの死の真相を知ろうと志願した少年クラックス、

更には皇帝の位に重圧と不安を感じ逃亡、身分を隠して潜り込んでいた少年皇帝ポールといった面々が含まれていたーーーー







過酷な南への旅の果てに、一行は要塞“鷲の巣”の廃墟に到着。

ここでフェルナンドはサイゴ族族長となっていたエイリークと再会、

“怒りの鉄拳”と玉砕した守備隊が残した
“鷲の軍旗”を受けとる。




その後、
クラックスは前回の戦いに参戦し唯一生き残ったエイリークの下を訪ね、
父キグナスの勇気ある死に様を聞く。


フェルナンドもウィーゼルやクラックス、ポールに対して要塞“鷲の巣”にまつわる若き頃のドラマを語り、
ポールやクラックスは知られざる無名の英雄達の生きざまと自分達の未来を重ね合わせるのだった。







遺骨収集と要塞復旧は順調に進み、
過酷な自然環境の中での生活の中で、
要塞守備隊は強固な連帯と絆を築くことになる。


自ら贖罪の意識を持つ峻厳な司令官フェルナンドの、
部下に対する厳しくも温かい対応と配慮は、

フェルナンドに対する周囲の尊敬を知らず知らずのうちに勝ち取るに至るーーーー








ーーーー1年後、
ポールは帝都に戻る補給隊と一緒に北への帰路につく。

クラックスとの固い友情、フェルナンドやウィーゼル更には一般の兵士達との繋がりは、
孤独だった彼の心を癒し、後述する彼の治世に大きな影響を与えることになる―――――







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