「Heros」



―――それから私はスネイルと共に、それぞれナゼール派遣の探検隊に志願し認められた。

探検隊参加の為に一時除隊し帝都アバロンに上京するや、
その足でキグナスの下宿を訪ね、
気づけば酒浸りの親友の胸ぐらを掴んで激しい言葉をかけていた。


「いつまでもぐじぐじする気か、キグナス!!

お前はお前、母親は母親だろうが!!

死んだ母親を超えたければ彼女がやったことのない大仕事に命をかけるしかないんだ!!」


私やスネイルの“説得”が聞いたのか、
キグナスも漸く立ち上がり共に未開の地に可能性を賭けることなった。











ーーーーかくして私達3名を含めた約400人近くのナゼール探検隊が編成された。
帝都における編成完結式で皇帝から探検隊の旗が授与され、意気高らかに南に向かって出発する。


旗の紋章は“鷲”ーーーー


天空に一番近い山岳地帯の更に上を飛翔する鷲の如く、
あらゆる苦難を乗り越えよという意味だとのことだ。





ーーーー出発前には我々3人以下幼年学校時代の同級生が集まり、大騒ぎを交えた激励会が催された。




「それではぁ~~、未開の地へ赴く我がクラスの代表達の任務達成を期して・・・・・かんぱ~~い!!」



「「「「かんぱ~~~い」」」」










ライブラが住む副議長公邸で催された内輪の大宴会。

久しぶりの友人達との交歓に和気あいあいとして、
心の中の不安を打ち消そうとするキグナス、スネイル、そして私。



宴が最高潮に達しようとする時、
私は密かに宴の席を抜け出していた。

恩師の書斎に密かに呼ばれていたのであるーーーーーー





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