戦闘服ごしの胸

ターレスがふいに私の手を取った。
その動きはいつもみたいに乱暴じゃなくて、
むしろ迷いのない自然さで、私は一瞬ついていけなかった。

「ちょ、ターレス……?」

呼びかける間もなく、
彼は私の手を自分の胸のあたりへ導いた。

戦闘服ってもっと硬いものだと思ってた。
でも触れた瞬間、思っていたより柔らかくて、
その下にある力強いものがはっきり伝わってきて——
胸の奥が一気に熱くなる。

「……っ」

言葉にならない声が漏れた。
自分でも驚くくらい心臓が跳ねて、
手のひらに伝わる鼓動が、私の鼓動と混ざっていくみたいで。

ターレスが小さく笑った。
その振動が、触れている部分からじんわり伝わってきて、
私はますますどうしていいかわからなくなる。

「フッ……なんだよ、その反応」

からかうような声なのに、
どこか優しさが混ざっていて、
余裕のあるその響きがまた胸に刺さる。

「だ、だって……そんな急に……!」

うまく言えない。
顔が熱くて、視線を合わせられない。
でもターレスは、そんな私の様子を
まるで楽しむみたいに見つめていた。
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