抱擁の温度 ─ ラディッツ

ラディッツの腕の中で、私はゆっくり呼吸を整えていた。
大きな体に包まれているのに、不思議と落ち着いていく。

動くたび、彼の長い髪が肩にかすかに触れる。
ほんの一瞬の感触なのに、
その柔らかさが静かに胸へ広がっていった。

ふたりの胸が触れ合うたび、
体温が混ざり合って、
私の身体の力が少しずつ抜けていく。

その変化に気づいたのか、
ラディッツは小さく息を吸い、
私を包む腕にゆっくり力を込めた。

ぐっと、強く。

胸にかかった圧が心地よくて、
思わず喉が震えた。

「……気持ちいい……」

自分でも驚くほど自然に漏れた声だった。

ラディッツの腕が一瞬だけ止まる。
そのあと、背中に添えられた大きな手が
ゆっくり、ためらいがちに動き出す。

その手の温もりが、
まるで安心を直接流し込まれるみたいに広がっていった。

「……そ、そうかよ」

低く揺れる声。
照れを隠しきれていないのに、
手の動きだけは驚くほど優しい。

恥ずかしくて顔を伏せると、
ラディッツは少し戸惑ったように、
でも確かめるように私を抱き寄せた。

肩に落ちた髪がふわりと揺れて、
その下で、背中に置かれた手の温もりが
じんわりと深く染み込んでいく。

「……離れんなよ。
 その……嫌じゃねぇから」

そのまま、さらに強く抱きしめられる。
胸に沈み込む圧と、
背中に広がる手の温かさが、
私の心の奥までゆっくり満たしていった。

静かな幸福の中で、
私はただラディッツの腕に身を預けていた。
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