光だけが揺れる星

星全体が闇に沈んでいた。
空も地面も境目がなく、ただ黒い。

ターレスの足元だけが、かすかに光った。
砂が、踏まれるたびに淡く瞬く。

光はゆっくりと強くなり、また弱くなる。
まるで、この星そのものが呼吸しているようだった。

光が強まる瞬間、闇の奥に巨大な影が浮かび上がる。
砂時計だ。

ひとつではない。
光が呼吸するたびに、別の影が現れ、また闇に沈む。
無数の砂時計が、森のように立っているのが分かる。

砂の落ちる音が、不規則に響いた。
ぱら、ぱら、と。

時間が揺れているみたいに、落ち着かない。

ターレスは黙って歩く。
足元の光が、彼の歩みに合わせて淡く揺れた。

ある砂時計の前で立ち止まる。
光が呼吸するたびに、砂の流れが見えたり消えたりする。

「……時間なんざ、どうでもいい」

低く呟き、また歩き出す。

砂時計の森を抜ける頃、
マントの端に光る砂がついていた。
呼吸する光に照らされて、微かに瞬く。

船へ戻る。
足音が、金属の床に淡く響いた。

ターレスは座席に腰を下ろし、
マントについた光る砂を指先で払った。

砂は落ちる瞬間だけ、かすかに光った。

ターレスはその光を、
ただ静かに見つめていた。
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