雨の音が深く落ちる星で
ターレスが旅の途中でよく立ち寄る。
食料や燃料を補うための小さな惑星。
この星の雨は重くて、
ガラスに当たると低く響く。
ターレスはその音が好きで、
雨季になると自然とここに寄るようになった。
ふたりでフードをかぶって歩いていた。
雨粒が大きくて、肩に落ちるたびに
低い音が服越しに伝わる。
ターレスの肩に寄ると、
彼は何も言わずにフードを傾け、
私のほうへ雨が入り込まないようにしてくれた。
傘なんてない星だから、
ふたりの距離は自然と近くなる。
雨脚が強まり、
空気のざわつきが肌に触れる。
ターレスが短く言う。
「……こっちだ」
彼に導かれた先には、
古い通信端末の残骸があった。
旅人が使う補給施設の一部でも、
もうほとんど稼働していない。
ガラス張りの小さな箱。
雨よけには十分だった。
ターレスが扉を押し開け、
私を先に入らせる。
続いて自分も入り、
扉が静かに閉まる。
外の雨音が一段落ちる。
異星の街灯が濡れたガラスににじんで、
外の世界がぼやけて見える。
狭い空間に、
ターレスの体温がすぐそばにある。
私の肩に落ちた雨粒を見て、
ターレスが無言で手を伸ばす。
濡れた髪を指先で払う。
その優しさに息が止まる。
私が小さく息を吸うと、
ターレスはその反応を逃さず、
そっと腰に手を添えて引き寄せた。
外の雨がガラスを叩く音が、
ふたりの世界をさらに閉じ込める。
ターレスは何も言わない。
ただ、私を抱き寄せる腕の力だけが
確かに存在していた。
食料や燃料を補うための小さな惑星。
この星の雨は重くて、
ガラスに当たると低く響く。
ターレスはその音が好きで、
雨季になると自然とここに寄るようになった。
ふたりでフードをかぶって歩いていた。
雨粒が大きくて、肩に落ちるたびに
低い音が服越しに伝わる。
ターレスの肩に寄ると、
彼は何も言わずにフードを傾け、
私のほうへ雨が入り込まないようにしてくれた。
傘なんてない星だから、
ふたりの距離は自然と近くなる。
雨脚が強まり、
空気のざわつきが肌に触れる。
ターレスが短く言う。
「……こっちだ」
彼に導かれた先には、
古い通信端末の残骸があった。
旅人が使う補給施設の一部でも、
もうほとんど稼働していない。
ガラス張りの小さな箱。
雨よけには十分だった。
ターレスが扉を押し開け、
私を先に入らせる。
続いて自分も入り、
扉が静かに閉まる。
外の雨音が一段落ちる。
異星の街灯が濡れたガラスににじんで、
外の世界がぼやけて見える。
狭い空間に、
ターレスの体温がすぐそばにある。
私の肩に落ちた雨粒を見て、
ターレスが無言で手を伸ばす。
濡れた髪を指先で払う。
その優しさに息が止まる。
私が小さく息を吸うと、
ターレスはその反応を逃さず、
そっと腰に手を添えて引き寄せた。
外の雨がガラスを叩く音が、
ふたりの世界をさらに閉じ込める。
ターレスは何も言わない。
ただ、私を抱き寄せる腕の力だけが
確かに存在していた。