光りの大空



❈戻って来た半身と仲間❈


 綱吉は律都を連れて幼い頃に見付けた、並盛公園の奥地にある。
 普段誰も近寄らない広場にある大きな桜の木に来ていた。

「…律都、俺はどうすれば良かったのかな」
「………………」

 後ろから知ってる気配を感じて振り返ると雲雀とリボーン達が歩いて来る。

「やっぱり此処だったね、綱吉」
「…恭弥。それにどうして……」
「ツナ、俺。いっぱい考えたけど難しいのは分かんねぇ!ツナとリクの友達なのな!それにダチが困っているのに助けるのが普通だろ?」
「極限に山本のいう通りだ!危険だと言うならば立ち向かえれば良い!一人で無理ならば皆でやればいいだろう!」
「ツナ君、私達は足手まといかも知れない!でもそれでも私達はツナ君とリク君と一緒にいたいの!」
「ハル達はツナさんとリクさんが大好きなんです!足手まといと言うなら強くなります!」
「…10代目、律矢さん。此処にいる奴らはお二人のそばにいたいどうしようも無い奴らなんですよ。…勿論、俺もですけど」
「………………」

 綱吉は獄寺達を見るとそれぞれ覚悟が宿った目をしていて顔を歪ませる。

「ツナ、コイツらは自分で答えを出したんだ。お前はどうなんだ」
「っ…俺は……」

「ツナ、本当は認めているんでしょ?」

 綱吉は隣りにいる律都を見ると微笑み、頬を撫でられる。

「…っ、律都?」
「うん…ただいま、遅くなってごめんね。あの時は助けに来てくれてありがとう」
「っ…律都!」

 綱吉は思い切り律都を抱き締める。

「恭君も、ただいま」
「っ…お帰り、律都」

 雲雀は泣きそうな顔をさせ二人を抱き締める。

「…ヒカル、ありがとう。貴方が最後の力を使って私をお父様の所に送ってくれたから魂は癒え、やっと帰って来れた。感謝しているわ。本当にありがとう」
「…姫、僕は貴女のお父上に救われた。その恩を返しただけです」
「それでもお礼を言わせてちょうだい。ありがとう」
「……はい」

 律都は唖然としている、リボーン達を見る。
 そして綱吉達に離れるように言うと二人は離れていく。

「改めて私はツナの双子の妹、沢田律都。今から9年前に私は黒のマフィアに誘拐され、心を壊し、ずっと魂を別の場所で癒していた。それでもツナを通して私は貴方達を見ていた。ツナを心から大切で大好きだと……。ツナ、もう苦しまなくって良いの」
「っ……!」
「貴方が自分を殺して、今まで生きて来たのは分かってるわ。私とツナは二人で一つの存在、もう私は何処にも行かないわ。大好きよ、ツナ」
「っ…律都……。俺は人を殺した、俺の手は血で汚れてるんだ……」
「……ツナ、知ってるよ。あの時のマフィア達は掟を破り、まだ一般人だったツナやお母さんや私を狙った。私達を守る為にツナは戦った。そんな貴方を攻める人間はいないよ、どんなにツナの手が血で染まったとしても私はそんなツナを受け入れる。嫌いになんて成らないわ」

 綱吉は涙を流し、律都はふわりと微笑むと抱き締める。

「う……あ………………あぁ………う、うわあぁぁぁぁ―――――――――!」
「綱吉……。漸く泣けたんだね」

 雲雀は綱吉の頭を優しく撫で、ヒカルも綱吉の肩に乗ると頬を舐める。 
 綱吉は暫くして泣き止むとリボーン達を見る。

「……マフィアは危険だ、下手をすれば死ぬかも知れない。…自分の家族が危険な目に合うかも知れないんだ……。その覚悟があるのか…?」

「「「勿論!」」」

 綱吉はくしゃりと顔を歪ませまた涙が溢れ落ち、乱暴に拭う。

「強く擦ったら、赤くなっちゃうよ。ツナ」
「…律都。………俺に関わって、後悔しても知らないからな」
「俺は何処までもついて行きますよ、10代目!」
「ウォーー!極限だあぁーー!」

 目の前で騒いでいる獄寺と了平、それを見て笑っている山本。
 呆れてそれを見ている京子とハル。

「仲間か……」
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