光りの大空



山本SIDE

ずっと“ごっこ遊び”だと思っていた。
遊びだからいつまでも続けられるって思ってたのに、こんな形で終わりなのか?
今まで俺は特定のグループに入らず転々としていた。
それは何処にも入りたくなかった訳ではなくただ何となく物足りなかったんだ。
でも獄寺やツナやリツといるとそんな物足りなさは感じられなかった。
やっと見つけた居場所だと思ったのに、あんな辛そうなツナの顔が頭から離れない。

「どうしたらいいんだか……」
「悩み事か、武」

仕事の手伝いをしながら考えてたら親父に聞かれた。

「まぁそんなとこだな」
「あーだこーだ悩むことはねぇ!要はお前がどうしたいかが答えなんだよ」
「どうしたいか、か……」

その後親父が手伝いはもういいというから自室へ戻り、ベッドに寝そべりながら考える。

「ツナは俺たちに近付いて欲しくなくて」

俺はどうしたいか…俺はツナや獄寺たちと一緒にいたいがツナが嫌がることはしたくない。
友達だから…、でもあんな今にも壊れそうなツナを支えたい。
でもその支える役目は雲雀がやってるし。

「…………あああぁぁぁああああ!!!わかんねぇ!!」

普段使わない頭を使ったせいで混乱してきた。
もういい、直感で進もう。

「俺はツナとリツの友達!…以上!!」

パンッと両手で頬を叩いた、グダグダ考えるのは性に合わないのな。
それが俺の答えだ!
待ってろよ、ツナ!


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了平SIDE

俺には理解出来ない事だらけだった、俺が今回襲われたのは沢田のせいで狙われたと言われた。
確かに狙われた原因は沢田だったとしてもやられたのは俺が弱かったのが原因だ。
沢田が気に病むことなのであろうか?
俺にはさっぱり分からん。
ただ、ただ……沢田の傍にいれば俺だけでなく京子まで危険が及ぶということ。
京子には危険な目には合って欲しくない。
これだけははっきりしている。
だが、それはあくまで俺が考えていることであって京子の考えではない。
京子は京子、俺は俺……。

「っどうすればよいのか極限にさっぱり分からん!!」
「ぅお?!いきなり大声で叫ばないで下さいよ!」

グルグル考えていたら同じ部活の後輩に怒られてしまった。

「む?…極限にすまん」
「いえ、もう慣れましたけど…先輩何か悩み事ですか?」
「何故分かったのだ、俺が悩んでいると」
「いや、さっきからずっと唸ってれば誰だって気付きますって」

どうやら俺は練習中に唸っていた様だ。
その証拠に部員全員が俺を見ていた。

「お前は仲間だと思っていた奴に“俺といるのは危険だから近付くな”と言われたらどうする?」
「言われたんっすか?」
「あくまで例え話だ」
「はぁ…?俺なら………、その忠告を無視します」
「何故だ?命が狙われるやもしれぬぞ」
「実際そうなって見なきゃ分かんないんっすけど…、その仲間だと思っていた奴は危険な目に遭ってるんですよね?先輩はその人の言う通りにすれば自分は守れるかもしれないですがそれで先輩は満足ですか?」
「…………」
「俺の知っている先輩はそんな仲間を見捨てず共に戦う様な男です」
「……そうだな」

俺は何を迷っていたんだろうな、危ない思いをするのであれば皆で回避すればいい。
俺が皆を守れる男になればいいだけの話。
たったそれだけのことだったのだ。

「それにしても何の話だったんっすか?ゲームのチームで自分たちよりランクが遥かに高い相手と戦う時にリーダーに言われた的な?いやいや、先輩がゲームって……ないないって聞いてないし!」
「極限にやる気が出てきたぞ!
今日はとことんやるぞー!ウオオオォォオォオォオ!!」

沢田、お前は俺が認めた男なんだ、俺はお前が困っていたら力になりたいと思っている。
だからそんな悲しい顔をするな!


✩*・°・*.*.。*・☆・*・°・*.*.。*☆



 それぞれが決断と覚悟を決め、大空の元に向かう。
 


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