光りの大空



「終わった……」
「………………」

 あらゆる情報を調べて“六道骸”と仲間を洗い出した。

アイツらも一緒だった。
だからといってやって良い事と悪い事があるんだよ!

「……律都は家に帰っていて」
「……一緒に行く」
「駄目だよ……律都は俺にとって大切な存在なんだ」
「……行く」
「……………分かった。でも律都、無茶だけはしないで」
「うん」

 綱吉達は“六道骸”達がいる、黒曜ヘルシーランドに向かう。


*・°・*。.*.。*・☆・*・゜・*。.*.。*☆


リボーンSIDE

黒曜ヘルシーランドに着いて最初に山本と城島犬との戦いは山本の勝利で終わった。

次にビアンキとM・Mとの戦いはビアンキの勝利で終わる。

そして全員とバーズ&ツインズとの戦いも勝利する。

此処まで大した怪我もなく勝利して来たがツナは現れる事はなかった。

そして獄寺と山本の2人の成長には驚いたぞ。

獄寺は常に1匹狼でツナと会って忠誠を誓うが他には見向きもしなかったのに仲間を護った。

山本はツナを危険な目に合わせたく無いと思う気持ち。

2人は本当に成長をしている。

だが、肝心なツナが何処にいるのかは掴めていない。

まぁ、その内乗り込んで来るだろう。

そして最後の戦い……………。


 ドカァン!

目の前に現れたのは“六道骸”だ。

「やべっぞ……」

生憎、俺は“死ぬ気弾”しか撃てね掟だ。

獄寺は山本を庇い、毒を盛られシャマルの薬の副作用で膝を付き、山本が代わりに突っ込んで行った。

「千蛇烈覇!」

「山本!」
「完全に避けていたわ!」
「これで分かった筈だ。貴様らに生き残る道は無い。希望を捨てろ。」

完全に避けた筈の山本はぶっ飛び、六道骸は鉄球を構える。

だが山本はバッドを盾にして無事だった。

「見切ってやるさ」

山本はバッドを使い、砂を舞い上がらせると鉄球の回りには気流が発生していた。

あの彫られた蛇に秘密があるな。

「理解したとて攻略にはならぬ」

山本は鉄球を良く見て避けるが乱気流を発生させ山本は鉄球を腹に受け、木にぶつかり気絶する。

 ゴツ!

「山本ー!」
「言った筈だ、希望を捨てろと。約束通り惨死をくれてやる。……トドメだ」
「野郎…まちやが……うっ!」

獄寺はダイナマイトを持ち参戦しようとするが副作用で身動きが出来ない。

「させないわ」

ビアンキは獄寺と山本を背に庇いポイズンクッキングを構える。

「仲間がこんなにやられているんだ。覚悟が決まったって事か



ツナ?」

「………………」


*・°・*。.*.。*・☆・*・゜・*。.*.。*☆


 並中からバイクを飛ばし黒曜ヘルシーランドにたどり着いた。
 そして超直感を使い、リボーン達の所に向かう。
 そこには傷だらけで倒れている山本と副作用に苦しんでいる獄寺がいた。

「……シャマルからある程度は聞いた。並中生が襲われているのも俺は見付けるのが目的」
「お前は…………」
「ボンゴレファミリー10代目候補、沢田綱吉」
「お前がか?」
「見た目で判断するのは命取りだ……。罪の無い一般人を襲い、俺の大切な友人を傷つけたのは許さない」

 綱吉は“六道骸”を睨み付ける。
 そして隠していた力を少しだけ解放させる。
 額からオレンジの炎を出し、警棒を構える。

「半端な強さでは俺は倒せんぞ」
「半端な強さ……か、それはどうかな」

 “六道骸”は鉄球を投げ、攻撃を仕掛ける。
 綱吉はそれを避け、懐に入り攻撃をする。
 そして“六道骸”に回し蹴りを喰らわせ吹き飛ばす。
 壁に激突して凄まじい爆音が響き渡る。

「や、やったわ!」
「……まだだ」
「貴様になら全力を出せそうだ。球遊びなど余技にすぎん!!俺が真に得意とするのは肉弾戦!」
「俺もだ……」

 “六道骸”は攻撃を仕掛けて来るが綱吉は全てを避け、重い一発を“六道骸”の腹に喰らわせる。

「うう……こ、この俺が負けただと?」
「貴方の心の中には罪悪感や、迷いがある」
「っ…!」
「もう、良いんじゃ無い?“六道骸”の影武者のふりを演じるのは」

「「「なっ……!」」」

 リボーン達は驚いた顔をさせていた。

「何故……」
「調べたから……全てを、だから貴方が“六道骸”じゃ無い事を知り、そして誰だか知った。とても優しい人で誰よりも強さを持つ“ランチア”さん」
「っ……!?」
「話して下さい。何があったのかを」
「5年前……。俺はイタリアにあるファミリーの一員だった…………」

 ランチアは知っている情報を話していく。
 綱吉達はそれを静かに聞いていく

「貴方はまだ、やり直せる」
「何を……」

 綱吉は律都が持つカバンから封筒を取りだしランチアに渡す。

ランチア「これは!」
「貴方の無実の証拠です……。さて、本物の六道骸の所に向かうかな」
「どうして、俺に此処まで!」
「……やりたいからそうしただけだ」
「ぶっ倒しましょう、10代目!」
「獄寺君、キミは連れて行けない……」
「………何故ですか!」
「シャマルに聞いた、キミは攻撃を受けた時に毒を盛られトライデント・モスキートで命をとりとめた」
獄寺「なっ!」
「完治するまで副作用で激痛を伴う発作が起きる。足手まといだ」
「っ…!」

 綱吉は素早く動き獄寺を眠らせ、山本の隣に寝かせる。

「ツナ……」
「…………………」
「ボンゴレ……お前なら出来るかも知れないっ!?」

 綱吉は微かな殺気を感じて飛んで来る無数の針を警棒を使い、弾いていく。

「すまない、助かった」
「いえ、山本と獄寺君を見て居て下さい。気絶した2人を連れて行く事は出来ないから」
「構わない、俺は動く気は無いから」
「……しばらくしたら此所に復讐者が来る。そしたら“情報屋ジェネラルドッグ”の保護を受けてると言えば手荒な真似は受けない」
「お前は!」
「………………」

 綱吉はゆっくりとランチアに近寄り耳元で話す。

綱吉「ボンゴレファミリー10代目候補沢田綱吉兼情報屋ジェネラルドッグ」
「っ…!」
「信じる、信じないはそっちが決める事だけ」
「…いや、信じよう。その名を出すのは本人だけだ」
「……そうですか」
「……ボンゴレ、これを」

 ランチアは懐から1つのリングを綱吉に渡す。

「これは?」
「俺がいたファミリーのボスの形見だ。お前に持っていて欲しい」
「でも」
「良いんだ。いずれ、全てのケリを着けたらそれを取りに行く。それまで持っていて欲しい」
「分かった、預かっています。じゃ、また、会いましょう」
「あぁ」

 綱吉はリボーンを見つめる。
 そして、ゆっくりと近寄る。

「リボーン……」
「……何だ?」
「話したい事がある……。この件が終わったらリボーンが知りたかった事をを話すよ」
「っ…!?」
「行こう、本物の六道骸を倒しに」

 4人は建物の中を探しながら進むと壊れた携帯を見付ける。

「恭弥の携帯」
「……綱吉」

 2人は見詰めると歩き出す。
 そして壊れて無い非常のハシゴを見付ける。

 シュルルル、パシッ!

「アイツは獄寺をやった奴だな」
「綱吉、行って」
「……えっ」
「此所は任せて」
「……無茶だけはしないでね」
「うん」

 綱吉はギュッと律都を抱きしめる。
 そしてリボーン達を連れて先に向かう。


*・°・*。.*.。*・☆・*・゜・*。.*.。*☆


律都SIDE

律都は隠して置いた短剣とチェーンを繋ぎ構える。

「めんどい、いくよ」
「……………」

 柿本はヨーヨを使い、攻撃して来る。
 それを律都は全て避けて行く。
 そして逃げながらある場所を目指していた。

「いい加減にしなよ……」

 ガッシャン!

 そこに城島犬が現れる。

「犬、無事だったの?」
「死ぬかと思ったけどね。所でソイツ誰?」
「多分、ボンゴレの片割れ」
「コイツが!」
「……見付けた」

 律都は隠し階段を見付けると獄寺が持っていたダイナマイトに火をつけ、投げる。

 コロコロ、ドカァン!

「「……………」」

「………………」

 律都は爆発した階段を見詰める。


*・°・*。.*.。*・☆・*・゜・*。.*.。*☆


恭弥SIDE


目が覚めたら、何処かの部屋閉じ込められていた。
そして良く知る気配を感じて驚いた。

壁が爆発して穴が空き、トンファーを持ち上がって行く。

「律都」
「…恭弥、綱吉が心配してた」
「キミがいるって事は綱吉は主犯の所かい」
「うん」
「そう……」
「んあ…コイツ……」
「並盛中学風紀委員、雲雀恭弥」
「そこの雑魚2匹は僕が貰うよ……」
「どうぞ」
「死に損ないが何寝ぼけてんだ?コイツは俺がやる」
「言うと思った」
「徹底的にやっからさ、百獣の王・ライオンチャンネル」

城島犬の姿が変わる。

「ワォ、子犬かい?」
「うるへーアヒルめ!」

 城島犬は雲雀に突っ込んで行くが雲雀はそれを避け、トンファーで城島犬を建物の外に弾き飛ばす。

 パリーン

「犬!」
「次はキミを咬み殺す」
「っ…!」

 雲雀は城島犬と同様に柿本を建物の外に弾き飛ばし倒す。

「っ……」
「大丈夫」
「うん、律都は怪我は無いかい?」
「無い」
「良かった…綱吉の所に」

 律都は雲雀に肩を貸し、綱吉の所に向かう。



*・°・*。.*.。*・☆・*・゜・*。.*.。*☆


 綱吉達は3階に着き、2つの気配を感じてそこに向かう。
 綱吉は気配を消して中を見ると1人の少年がソファーに座っていた。

 アイツが六道骸………。

 綱吉は足元に落ちている石を拾い思い切り骸に向けて投げる。

「死ね、南国果樹!」
「グハァ!」

「「なっ……!」」

 骸は石を腹に喰らいソファーから落ちる。
 そして綱吉は壁際にいる、フゥ太を見る。

「フゥ太……」
「無事だった見たいね、探してたのよ」
「………………」
「ビアンキ、近づいちゃ駄目だ。マインドコントロールされてる」
「えっ?」

 ビアンキはそう言われてフゥ太から距離を取る。
 綱吉はフゥ太が握っている槍を投げ、抱きしめる。

「ううう…………!」
「お前は悪くない」
「っ…!?」
「だから、安心して帰って来い」
「……ツナ兄、僕…………」
「うん、帰っておいで」

 フゥ太は頷くと気を失い、優しく抱き上げるとビアンキにフゥ太を預ける。

「っ…!……キミが余計な事をするから彼、クラッシュしちゃた見たいですね。しかもまさかキミがボンゴレ10代目とは」
「俺の情報を知っているのはボンゴレと親密な人間だけだ。リボーンが俺の所に来たという情報を探すのは骨が折れただろう」
「えぇ、大変でしたよ」
「だろうな。俺に関する情報は全て消してある。あったとしてもほんの僅かしかない。それも殆どがでっち上げだ。そしてリボーンが日本に渡り、並盛に向かった事しか分からなかった」
「えぇ、そうです」
「だからって……小さな子供を弄んで楽しいか」
「人聞きが悪い、少しお願いを聞いて貰おうとしたんですか彼は“沈黙の掟”を貫き黙りでしてねぇ。更には心を閉ざしてランキング能力まで失ってしまった」
「それで仕方なく、以前作られた並盛の喧嘩ランキングを使い、ツナとファミリーを炙り出そうとしたんだな」
「目論見は大成功ですよ。現にボンゴレは此所にいる」
「……六道骸、人を何だと思ってるんだ?」
「おもちゃ……ですかね」
「……はぁーー。馬鹿だ、馬鹿だと思っていたけど大馬鹿だな」
「………………」
「お前の過去と似たような事をやってるだけだろ」
「………黙れ、マフィア風情が!」
「確かに俺は、次期ボス候補だけど、俺自身がマフィアなんて大嫌いなんだよ!特に黒のマフィアが!見るだけで虫酸が走る!」
「…………はい?」
「…………俺がボンゴレ10代目ボスになったら黒のマフィアは全て潰し、クリーンなマフィア世界を作る事だ。だから、こんな所で躓く訳にはいかないだよ」

 綱吉は警棒を構える。
 骸は綱吉が投げた槍を拾い、棒の先に付ける。
 綱吉は骸の瞳に死ぬ気の炎が見えた。

「死ぬ気の炎?」
「ほう、見えますか?六道輪廻と言う言葉をご存知ですか?」
「人は死ぬと産まれ変わって地獄道・餓鬼道・人間道・畜生道・修羅道・天界道のいずれかへ行くという奴だな」
「僕の身体には前世に六道全ての冥界を廻った記憶が刻まれていましてね。6つの冥界から6つの戦闘能力を授かった」
「それが本当ならオメーはバケモンだな」
「キミに言われたくありませんよ。呪われた赤ん坊、アルコバレーノ」
「……呪われた赤ん坊、六道を廻り能力を授かった男、そしてマフィアのボス候補。ろくな人間が此所にはいないな」
「……いきますよ」

 骸が槍で床を叩くと床が歪み、崩れていく。

「チッ!幻覚か!」

 綱吉は顔を顰めながら隠してあるナイフを取りだし自分の太股を刺す。

「クフフフ、良く見破りましたね。これが幻覚だ。」
「……1人、幻術師を知ってるだよ」
「ツナ、足は大丈夫なのか?」
「あぁ、大丈夫」

綱吉はハンカチを裂き、太股に巻いていく。



17/22ページ
スキ