光りの大空



 そこに映っていたのは自分の母の奈々だ。

「……殺す」

 そこにちょうど雲雀が到着するのが見え綱吉は電話する。

『もしもし?』
「恭弥から母さんは見える?」
『うん』
「母さんの後ろ、50メートル後ろにいる男が詐欺グループの1人。母さんを狙ってる」
『奈々を……咬み殺す!』
「残りは喫茶店にいる。思いきりやって良いよ」

 それからスリをしようとした所を捕まえ、奈々は驚くが理由を付けてその場を離れ、残りの2人も捕まえ身包みを剥ぐと証拠品が出て来る。
 雲雀は犯罪三兄弟を咬み殺し警察に突き出し、綱吉は恭一に報告して依頼を完了させる。
 そして依頼を残った依頼を分け片付ける。
 黒のマフィアの依頼は全て断り、逆にハッキングして情報を抜き復讐者に突き出している。

 白のマフィアの依頼は多額の依頼両を貰い受けている。
 全ての依頼が終わり、PCの電源を落とす。

「…チッ!今日もあの男の情報は無かった!」

 綱吉は苛つき壁を思い切り殴る。

 ガン!


「ぐぴゃ?!」
「……ランボ」
「ツナさん怒ってる」
「……驚かしてゴメンな?部屋には入るなって言ったおいた筈だぞ」
「ママンがお昼だからツナを呼んで来てって言ったもんね!」
「あぁ、ありがとうな。じゃあ行くか?」

 綱吉は2人を抱き上げ下に向かう。
 お昼を食べ、綱吉はまた部屋に籠りPCで色々と調べ、日曜日は終る。
 数日後、風紀委員の仕事はなく綱吉達は早く家に帰ると家の前にスーツ姿の男達が沢山居た。

「…群れてる」
「………………」
「リボーンの仕業だな」

 家に入ろうとしたら1人の男に停められ綱吉は舌打ちする。

「今は沢田家の人間しか通せない」
「沢田綱吉と弟の律矢だけど」
「……………」

 ザワ!

「なっ!」
「この方が!」

 綱吉達は家に入り、2階に上がると綱吉の部屋の中にリボーンと3人の気配がある。

「はぁ……」
「綱吉」
「大丈夫だよ。律矢は部屋にいて」
「行く」
「…分かった」

 部屋の扉を開け、中に入ると大きな椅子に座り、靴を履いた男が最初に目につく。

「待ってたぞ、ツナ」
「説明して貰おうかリボーン?」
「いよぉ、ボンゴレの大将。キャバッローネファミリー10代目ボスディーノだ」
「ボンゴレ同盟の3番目勢力を持ち、跳ね馬ディーノ」
「?!」
「ここは日本。家の中では靴を脱ぐのが常識。しかも部屋は狭いんだ。もし、部屋の中の物を壊したら容赦しない」

 綱吉はそう言って律都の手を握り、ベットに座る。

ディーノ「すまねぇ!」

 ディーノは慌てて靴を脱き、綱吉を見る。

「オーラがある。覇気がある。面構えが良い。ボスとして資質があるな」
「…どうも」
「ディーノはお前の兄弟子だぞ」
「兄弟子?俺はまだお前を信用してない。兄弟子なんか認めない。帰れ……」
「?!」

 そこにランボとイーピンが入って来る。

「また…何度も言って」
「ぐぴゃ?!」

 ランボはコケ、ピンが抜けた手榴弾が窓の外に飛んで行く。

「やべーな、外にはディーノの部下がいるぞ」

 ディーノは慌てて外に飛び出し手榴弾を鞭で掴み上に飛ばす。
 手榴弾は爆発してキャバッローネファミリーの部下達は助かる。
 そしてディーノはリボーンに言われ沢田家に泊まる事になり、夕飯になりリビンクに集まる。

「いただきます」
「いただきます」
「そーいやツナお前、ファミリーは出来たのか?」
「今んとこ獄寺と山本。雲雀に候補が笹川了平だな」
「恭弥はそうだけど後は友達と先輩…それからご飯こぼさないで下さいディーノさん」

 綱吉は立ち上がりフォークとナイフを取りだし前に置く。

「どうぞ」
「すまねぇ」
「ディーノは部下が居ないと半人前なんだぞ」
「究極のボス体質か……」
「?!」

 ディーノは弁解するが綱吉は聞きながしご飯を食べる。

「キャアアア!!!」
「母さん!」
「どーしたんだ!!」

 奈々の悲鳴はお風呂場から聞こえ綱吉達は立ち上がる。
 するとディーノは立ち上がりコケる。

「………………」
「自分で自分の足を踏んじまった……」

 リビンクに奈々が慌てて入って来る。

「お風呂、お風呂に!」

 綱吉は走ってお風呂に行くと巨大な亀が浴槽を食べていた。

「………………」
「あちゃーエンツィオの奴いつの間に逃げ出したんだ?」
「はぁ……」
「エンツィオは水を吸うとふやけて膨張するスポンジスッポン亀なんだぞ」
「下がってろ。誰も手を出すんじゃねーぞ。テメーのペットの世話もできねーよーじゃあキャバッローネファミリー10代目の名折れだ」
「…………………」

 綱吉は律都を連れてディーノから距離を取る。

「静まれ、エンツィオ!」

 しかしディーノの鞭はあらぬ方向に飛んでランボ達に当たる。
 ランボは泣き出し、イーピンは怒る。

「はぁ……」

 綱吉は落ちている鞭を拾い構える。

「ツナ?」
「どうするんだ?」
「これ以上被害が大きくなる前に止めるだけだ」

 綱吉は鞭をふるいエンツィオの首を絞め気絶させる。
 そしてドライヤーで乾かしディーノに渡す。

「すまねぇ!修理代はこちらが出して直す!」
「結構です。」

 綱吉は携帯を取りだし雲雀に電話をかける。

『もしもし?』
「悪いんだけど明日の朝一でお風呂の修理頼める。」
『はぁ?何があったの?』
「…頼んだよ」

 綱吉はそう言って電話を切ってしまった。

「……今日は銭湯に行ってお風呂に入って来て下さい。リボーン、ディーノさんを連れて連れて行って。俺はもう寝る。律矢、行くよ」
「うん」

 そう言って綱吉は2階に上がって行ってしまった。


 そして雲雀は。


「………そうとう苛ついている見たいだね。僕はどうなっても知らないよ」

 次の日、家を出るとキャバッローネファミリーの部下達が己の武器を磨いていた。

「(通報されるだろ)」
「ボンジョルノボンゴレ10代目」
「どうも」

 ガチャッ!

「なんだお前ら迎えなんて頼んでねーぞ」
「誰も迎えになんて来てねーよ」
「ん?」
「散歩してブラついてたらここに着いただけだぜ」
「駅前のホテルからかよ………」
「おはようございます10代目!!律矢さん!」
「おはよう獄寺君」
「早起きしたのでブラブラしてたらここに着いちゃいました」
「(同じ事言ってる……)」
「それより何なんすか。この連中は?」
「よぉ、悪童スモーキン・ボム。会うのは初めてだな。」
「?!。そのタトゥー……跳ね馬のディーノ!」

 獄寺はディーノを睨んでいるとそこに山本が現れる。

「ツナ、リツ、獄寺じゃねーか」

 山本は綱吉と獄寺の肩を組む。

「何やってんだオメーら遅刻するぜ」
「………………」
「ども」
「よ!」
「さっさと行こーぜ」
「馴れ馴れしくすんな!」

 4人は歩いて学校に向かう。

「あれがツナのファミリーか。……てんで子供だな」
「気になるみてーだな。」
「そりゃーなぁ。可愛い弟分のファミリーだぜ」
「……兄弟子って認めて貰ってないだろ」
「なぁ!」
「どーだ、使えそうか?」
「どーかな?ファミリーにとって最も重要なのは信頼だ。それが見えねー限り俺は認めねぇよ」
「だったらいっちょ試すか」
「試す?」

 そんな会話をリボーン達が行われていた事を綱吉は知らずに学校に向かっていた。
 歩きながら獄寺の話しを聞き流しながら歩いていると後ろからもうスピードで走って来る車が見え、綱吉は律都を壁側に寄せた瞬間、縄が飛んで来て綱吉は驚く。

「?!」
「10代目!」
「ツナ!」

 綱吉はそのまま連れ拐われてしまい。
 残ったのは獄寺、山本、律都の3人だけだ。

「ありゃここ一帯を絞めてるヤクザ桃巨会の車だな。」

「「?!」」

「リボーンさん!」
「ヤクザとは言えばジャパニーズマフィアだ。大人マフィアに中学生のお前達がかなうわけねぇ。ここは警察に任せろ。」
「任せられません!!」
「警察は頼んだぜ小僧!」

 山本と獄寺は走って行く。

「気に入ったぜ。」
「……何、企んでいるか知らないが覚悟は出来てるよな?リボーン、跳ね馬!」

 綱吉はブチ切れリボーン達を睨む。

「ツ、ツナ!お前、縄はどうしたんだ!」
「あぁ?縄だぁ?そんなもん引き千切ったに決まってんだろ!いきなり俺を襲って謝罪は無いのか?」
「っつ…!引き千切っただと……なんつうパワーをしてるんだ?」
「すまないツナ!お前のファミリーを試させて貰ったんだ!だから本当にすまない!」
「試す為にそれだけの事をやっただと?ふざけんじゃね!俺を襲うって事は敵だ



殺す」

「「っつ!」」

 綱吉から発せられる殺気はどんどん強くなっていく。
 両者共々冷や汗を掻いて顔を青くさせている。

「駄目、落ち着いて綱吉」

 律都は綱吉の正面から抱き付き、頬にキスをする。

「…綱吉」
「…………………」

 すると今度は携帯がなり、綱吉は電話に出る。

「もしもし……」
『綱吉、昨日頼まれた業者は朝は無理だから昼からでも良いかい?』
「うん、大丈夫……」

 綱吉から殺気が少しずつ消えていく。

『…何かあったのかい?』
「……キレた」
『っ…!綱吉今何処にいるんだい!直ぐに向かうから!』
「………桃巨会に行く」

 電話の向こうでドアが凄い音で閉まる。
 綱吉は携帯をしまいリボーン達を見る。

「リボーン、桃巨会は実在して、武道派で有名なヤクザだ」
「なっ!リボーン、何考えてるんだ!」
「…律矢行くよ」
「うん」

 綱吉と律都はリボーン達をその場に置き走り出す。
 元々、桃巨会は潰す積もりだった。
それが早くなっただけだ、桃巨会に着くと入り口に山本の鞄が置いて有った。
 ドアを開けると伸びてるヤクザに話し掛けてる山本と胸ぐらを掴んで脅している獄寺がいた。

「怪我とかしてない見たいだね」
「なっ!」
「10代目!ご無事で!」
「無事見たいだな」

 綱吉に気付いた2人は掴んでいたヤクザを放り投げ近寄って来る。

「何してくれてるんだ?餓鬼共が」

 そこに入って来たのはそこいらで伸びてる若い衆とは違い中堅、幹部、組長が現れる。
 獄寺を押し退けてディーノが前に出る。

「俺はキャバッローネファミリー10代目ディーノだ。こうなったのは全て俺の責任だ、悪かったな。全員の治療費と備品は払う、それで手を打ってくれ」
「はぁ?何訳が分かんねー事言ってやがんだ?金はいただく、そしてテメーらは返さねぇ!」
「交渉決裂か!」

 綱吉は下品に笑うヤクザとディーノの間に入る。

「10代目!」

「「ツナ!」」

 獄寺達が声を掛けるが聞く積もりはない。

「初めまして、桃巨会の組長さん。並盛風紀委員副委員長、沢田綱吉です。あなた方が麻薬密売している情報が入って来てます。これは本当ですか?それとも嘘ですか?」
「さぁ?どーかな?」

 ヤクザ達ゲラゲラと笑い、綱吉を見る。

「まぁ、事実なのは分かっている。素直に認めれば多少の弁解の余地をやる積もりだったけど要らない見たいだな」

 綱吉から表情が消え、獄寺達は驚き綱吉を見る。

「全員、手出し無用。その場を動けば敵と見なす。さぁ桃巨会の組長さん、直ぐに警察に自首するか俺に潰されるか好きな方を選べ。」
「?!」
「つ、ツナ!」
「ツナ、何を!」
「全員、部屋の隅に移動」

 律都はそう言って壁側に移動する。
 獄寺達も律都の後を追い壁側に移動する。
 綱吉はチラリと律都を見て愛用の警棒を取り出す。

「お前らやっちまえ!」
「おぅ!」
「……全員、潰す」

 綱吉はヤクザ達に殺気を浴びせ、倒して行く。

「スゲー……」
「綱吉は力を1割しか出してない」
「あれで1割!本当か?」

 10分後、桃巨会は壊滅し、そこにちょうど雲雀が到着する。

「綱吉!」
「…恭弥」
「大丈夫かい!」

 雲雀は心配そうな顔をさせて綱吉に近寄る。

「……久しぶりにキレて理性をなくしそうになった」
「っ…!今直ぐに帰るか、僕ん家に行きな!」
「…恭弥ん家に行く」
「なら、後は任せて行きな。外にバイクがある」
「……分かった。律矢、行くよ」
「うん」



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