光りの大空



「何かあったのかい?」
「笹川先輩がいきなり俺に棒倒しの総大将になれって言ってきたんだよ」
「へぇ」
「大体、総大将なんて2・3年の中から選ぶのに何で俺なんだよ」
「まぁ、綱吉は他の生徒より強いから向いているのは確かだよ」
「そうだとしても俺はダメツナを演じているんだよ?まぁ最近少しずつ演技が出来てないけど………」
「綱吉、あまり無理はしちゃ駄目だよ」
「うん、分かってる。少し眠っても良い」
「良いよ。おやすみ綱吉」
「うん……」

 綱吉は数分もしない内に眠ってしまう。
 律都はソファーに置いてある毛布を綱吉にかけてあげる。

「律都、最近、綱吉は家で寝れているかい?」
「寝てない」
「そう。赤ん坊が来てから綱吉はストレスが溜まる一方だね。本当にいつ爆発してもおかしくないね」
「………………」

 2時間が経ち雲雀は綱吉を起こす。

「綱吉、そろそろ起きな。家に帰るよ」
「ふわぁー。うん…今何時?」
「そろそろ6時になる」
「あまり遅くなると母さんが心配するね」

 綱吉はソファーから身体を起こして立ち上がる。

「送って行くかい?」
「大丈夫だよ。恭弥、今日はありがとうね。律都、帰ろうか」
「うん」
「じゃあ、また明日ね。恭弥」
「うん。また明日」

 綱吉達は応接室を出て行く。
 そして体育祭の日、綱吉達は朝から来ているハルを見る。

「なんで、いるの?」
「リボーンちゃんから今日体育祭だと聞いて今日、応援に行きます。それからツナさんとリツさんの好物を沢山作りました!」
「みんなで応援に行くわね」
「あぁ、うん……」

 綱吉は奈々達に気づかれないように溜め息をつく。
 そして朝ご飯を食べ、律都を連れて学校に行く。
 綱吉達は教室に行かずに真っ直ぐに応接室に向かう。

 ガッチャ!

「恭弥、いる?」
「いるよ。どうしたんだい?」
「暫く此処にいても良い?」
「体育祭には出ないのかい?」
「……だってメンドクサイだもん」
「だもんって……」
「………………」

 綱吉は昼まで眠って過ごし、休憩の時間になり奈々達がいる場所に向かう。

「ツッ君、リッ君。今まで何処にいたの?」
「恭弥の所」
「そう、恭君は元気?」
「うん、お腹空いた」
「頑張って作りました!食べて下さいツナさん、リツさん!」

 そこに京子と了平が現れる。

京子「ツナ君、リツ君。あの、これ2人に作ったの」

 京子はハチマキを2人に渡す。
 綱吉達はハチマキを見ると丁寧に名前が塗ってあった。

「…ありがとう」
「うん、じゃまた後でね!」
「沢田、やはり棒倒しを……」
「お断りします」
「うむ。では沢田弟はどうだ?」
「……………」
リボーン「?!」

 リボーンは綱吉から殺気を感じて驚く。

「律矢は棒倒しには参加させない。俺が出る」
了平「本当か!沢田、期待しているぞ!」

 了平は笑いながら京子の後を追う。
 そして棒倒しの時間になり、何故かΑ組対ΒС連合になっていた。

「どういう訳……」
「さぁ?」
「あぁ、ツナ達は知らないんだな。午前中、獄寺と了平が喧嘩してС組の総大蒋を倒してΒ組の総大蒋が何者かに襲われ、了平が提案して押し通したんだ」

 綱吉はイラッつき顔を歪ませ、棒に登って行く。

「律矢、危ないから草壁さんの所にいて」
「分かった」

「なぁ、Β・С連合の総大蒋を誰にする?」
「サッカー部の坂田だろ?」
「レスリング部の川崎も強いぞ」

恭弥「僕がやるよ」

 ザワ!

「「「雲雀さん!」」」

 雲雀は棒の上に登って行く。

恭弥「倒さないでね」

 ビック!

「「「はいぃぃ!」」」

「ツナさん頑張って!」
「ツナ君、頑張って!」

「用意!開始!」

 Β・С連合の男子生徒達は一斉にΑ組に走り出す。

「はぁ……めんどくさい」

 綱吉は瞬時に涙目になり、泣き出す。

「ふぇ……お兄ちゃん達怖い……」

「「「「「?!」」」」」

 その姿は小動物のようでとても可愛く女子生徒達は母性を擽られる。

「「「可愛い!!……男子達、沢田君を苛めたら許さないわよ!」」」

「お姉ちゃん……」

「「「「「きゃあぁぁぁぁぁ!」」」」」

「……………」

「獄寺君、山本、笹川先輩。今がチャンスです。攻めるなら今です」

 獄寺達は驚いた顔をさせるが素早く動き手薄になっている敵陣に行き棒を倒す。

「Α組の勝利です!」

 綱吉は棒を下り、雲雀に近寄る。

「ちょっと、狡いじゃない?」
「恭弥とはこんな下らない勝負してもつまらない。」
「はぁ…しょうがない子だね」
「ふふ、疲れた。恭弥、抱っこ。」
「しょうがないね」

 雲雀は綱吉を抱っこして歩いて行く。
 生徒達は驚き、2人を見送る。
 律都達も雲雀を追って行く。

「…また、謎が増えたな」

 こうして体育祭の終わり、色んな事があってイーピンが加わり居候がまた1人増え、沢田家は賑やかになる。

 そして10月14日は綱吉達の誕生日で13歳になる。
 沢田家では2人の誕生日会が行われて居る。

 メンバーは獄寺、山本、了平、京子、ハル、リボーンやランボ、イーピン、ビアンキがいる。

「10代目、律矢さん。お誕生おめでとうございます!」
「2人誕生日おめでとうなのなぁ!」

 各々祝いの言葉を貰い、綱吉達はきちんとお礼を言う。

「「ありがとう」」

 そこにプレゼントを持った奈々が入って来る。

「ツッ君、リッ君、イタリアの家光さんとティモッテオさんから誕生日プレゼントが届いたわよ」
「?!……ママン、9代目の事知ってるのか!」
「…ええ全部、知ってるわ。5年前から家光さんから全てを聞いて驚いたけど、私はそんな家光さんと大切な2人の子供を必ず護って見せる。もし、2人を傷付ける人間が現れたら私は容赦しないわ」

 奈々はにっこりと笑うが目が笑ってはいなかった。

「「「「「?!」」」」」

「母さん、いきなりどうしたの?俺達は大丈夫だよ」
「ツッ君…そうね。ご免なさいねみんな。さぁ、今日は2人のお誕生会。沢山の料理があるから沢山食べてちょうだい」

「「「「「はぁい!」」」」」

 奈々は料理を作る為に台所に戻り料理を作る。

「そう言えばツナ、家光と9代目はどんなプレゼントを送って来たんだ?」

 綱吉は無言で家光のプレゼントを開けると中からペアのネックレスが入っていて、形は羽根で合わせるとハートの形になる。

綱吉「律矢」

 律都は綱吉に呼ばれ、隣に座る。
 綱吉は後ろからネックレスを律都に付けてあげる。

「似合ってる」
「ありがとう」

 普段笑わない綱吉が律都に向かって笑う。

「「「「「っ…!?」」」」」

 獄寺達は顔を赤くさせ綱吉を見る。 
 次に綱吉は9代目からのプレゼントを開けると中からオーダーメイドのスーツが2着入っていた。

「…スーツ」
「綱吉、手紙」

 綱吉は律都から手紙を受け取り読んで行く。


綱吉君、律矢君へ

誕生日おめでとう。
そして済まない。
2人をこちら側に引き込んでしまって。
2人はワシにとって大切な孫どうぜんの存在だよ。
13才の誕生日おめでとう。

ティモッテオ

「後でお礼の電話掛けようか」
「うん」
「しかしオーダーメイドのスーツはかなりの値段をするぞ」
「そうなんですか?」
「安くって15万、高くって100万はするな」
「ハヒッ!そんなにするんですか!」
「あぁ、見た所ツナが持っているスーツは最高級のスーツだな。何百万もするぞ」

「「「?!」」」

「…まぁ、今は必要が無いからしまって置くかな」
「あら、折角だから着た所を写真で撮ってティモッテオさんに送りましょうツッ君」
「分かった。母さん、ついでに入学式の写真も送ったら?」
「あら、良いわね!」
「じゃあ着替えて来る」

 綱吉は律都を連れて2階に行き、スーツに着替え普段髪型は気にしないが軽くオールバックにして見る。

「まぁ…こんなもんか?」

 そこにちょうど雲雀が窓から入って来る。
 綱吉は気配で気付き窓を見ると雲雀が驚いた顔をしていた。

「恭弥?」
「……綱吉?」
「うん、おじい様から誕生日プレゼントでスーツ貰ったから写真を撮って送るんだ」
「そう、良く似合ってる…律都は?」
「自分の部屋で着替える」

 カチャ!

「綱吉、着替えた」
「可愛い」

 綱吉は黒のスーツを着て、Yシャツはサックスブルを着て居る。
 律都は白のスーツを着て中のYシャツを薄いオレンジ色だ。

「律都、可愛い……」
「???」
「写真、撮ったら1枚僕にちょうだい」
「分かった。そう言えば今日は来ないんじゃなかった?」
「まぁ、誕生日プレゼントを渡しに来たんだよ」

 雲雀は綱吉に向かって鍵を投げ、それを受け止める。

「前に綱吉が乗りたいって言ってたバイクのVMAX。僕の家の車庫に置いてあるよ」
「マジで!ありがとう恭弥!」
「僕とお揃い。今度律都を連れてツーリング行かない?」
「行く!約束だよ!」

 雲雀は綱吉が喜んでくれた事に笑顔になる。
 そして律都に近寄り右手にブレスレットを着ける。
 ブレスレットには羽根が彫ってある。

「律都にはこれを」
「ありがとう」
「じゃ僕は帰るよ。2人供また明日」
「恭弥、ありがとう」
「うん」

 雲雀は来た時と同じように窓から帰って行く。
 綱吉は鍵をポケットに仕舞い律都を連れて下に向かう。
 リビンクに入ると最初に見たのは奈々なので声をかける。

「母さん、着替えて来たよ」
「ツッ君…まあまあ!良く似合ってるわ!リッ君も!」
「…ありがとう」

 獄寺達も綱吉達が戻って来た事に気付き見て固まる。

「グハァ!」
「………………」
「ウム……」
「ツナ君かっこいい……」
「ハヒ…ッ、2人供かっこいいです!」
「ツナ、リツ。かっこいいだもんね!」
「ツナの色気半端無いな……」
「ええ、免疫がない子供にはイチコロでしょう」

 山本達は顔を赤くさせ綱吉を見ている。
 獄寺は鼻血を出し倒れていた。
 奈々は2人を並ばせ写真を撮っていく。
 誕生日会も終わり、綱吉は普段着に着替えベットに寝転ぶ。
 すると部屋に律都が入って来る。

「律矢?」
「…綱吉、一緒に寝ても良い」
「うん、良いよ」

 綱吉は布団にきちんと入り律都を布団に入れ抱き締める。
 すると数分もしないうちに2人は眠りにつく。

「眠ったか……本当に仲が良いな。しかし、ツナは異常にリツに執着してるな……一体どんな理由が」

 リボーンは未だに2人の過去を調べるが何一つもでた来ない。
 リボーンは途方にくれていた。
 日曜日になり綱吉はリボーンを部屋から追い出し情報屋の仕事をする。
 すると仕事用の携帯がなる。

「はい」
『久し振りだね綱吉君』
「お久し振りです恭一さん。今日はどんな依頼ですか?」
『あぁ、最近並盛でスリや詐欺が頻発しているんだ。それを捕まえて欲しい』
「分かりました。このジェネラルドックがお受けします」
『ありがとう。お金はいつも道理に振り込んでおくよ』
「今回は無償で良いですよ。いつも恭一さんにはお世話になっているので」
『しかし……』
「今度、ご飯食べに連れてって下さい」
『クス、クス、分かったよ。じゃお願いするよ』

 綱吉は携帯を切り数台のPCの電源を入れ起動させる。
 そしてスリや詐欺があった場所を調べ証拠を集め綱吉はPCを操り並盛の防犯カメラをハッキングして行くと怪しい3人組を見付け会話を聞くと詐欺やスリの計画を立てていた。

「下らない……」

 綱吉は携帯を取りだし雲雀に電話をかけると数回のコールで雲雀は出る。

『どうしたの?』
「恭弥、今暇?」
『暇だけど、何?』
「並盛でスリや詐欺が頻発してるの知ってる?」
『勿論だよ』
「依頼で捕まえて欲しいって来たから犯人が分かったから恭弥に捕まえて欲しいんだ」
『ふふ、綱吉の頼みならいいよ。場所は何処だい?』
「並盛喫茶店に3人組の男がいるから直ぐに分かるよ」
『分かったよ。今から向かう』
「恭弥、ありがとうね。お礼は明日のお弁当で良い?」
『ハンバークが食べたい』
「勿論。他にも恭弥が好きなおかずも入れるよ」
『楽しみにしてる』
「うん、それじゃ合図したら捕まえて欲しい」
『分かったよ』

 綱吉は携帯を切り、3人を見張ると三男の男がある女性をターゲットに決めたらしい。
 綱吉はカメラに映っている女性を見て顔を顰める。



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