光りの大空



「………………暑い」

 チャリン・チャリン

「……ままチャリ、メット、ゴーグル、暑くないのか?」

 するとままチャリに乗った人物は目の前で停まる。

「良かったらこれどうぞ?」
「……どうも」

 ジュースを受けとるとままチャリに乗って走って行ってしまった。

「…毒サソリ・ビアンキ。ポイズンクッキングの使い手」

 綱吉はとりあえず家に帰り、部屋に行くと顔中にカブトムシをつけているリボーンがいた。

「……………何をしてるの」
「コイツらは夏の子分達だぞ。情報を収集してくれるんだ」
「ふぅん」
「お陰で情報が掴めたぞ。ビアンキが来ているぞ」
「それならさっき会ったよ」
「何で知ってるんだ?」
「一応、ボンゴレ10代目候補だからね…そう言う事でこれどうにかして欲しいんだけど」

 綱吉は貰ったジュースをリボーンに渡す。

「何だこれ?」
「毒入りジュース」
「………………」

 ピンポーン

イタリアンピザです!

「………………」

 綱吉はとりあえず玄関に行き、ドアを開けるとビアンキがピザ屋の格好をして立っていた。

「先程はどうも」
「召し上がれ!」

 そう言ってビアンキはガスマスクをつけピザの箱を開ける。
 綱吉はすぐさま後ろに下がり、リボーンはピザの箱を銃で打ち落とす。

「チャオッす、ビアンキ」
「リボーン…迎えに来たの。また一緒に大きな仕事をしましょ」
「言った筈だぞビアンキ。俺にはツナを育てる仕事があるからムリだ」
「……かわいそうなリボーン」
「………………」
「10代目が不慮な事故かなにかで死なない限り自由な身になれないのね」
「………………」
「とりあえず帰るね。10代目をころ…10代目が死んだら迎えに来るね」

 そう言ってビアンキは帰って行く。
 次の日、学校に行く途中で京子に会う。

「おはようツナ君、リツ君」
「おはよう京子ちゃん」

 チャリン・チャリン

「人の恋路を邪魔する奴は毒に紛れて死んじゃえ!」
「はぁー」

 ビアンキは3本のジュースを投げるが綱吉はそれを全部鞄で叩き落とす。

「ツナ君の知り合い?」
「いや、知らない。」
「そうだ、今日の家庭科の授業でおにぎりを作るんだ」
「そうなんだ」
「あのね、良かったらおにぎり食べて欲しいな…」
「良いよ」

 そして3人は話しながら学校に行く。
 綱吉は雲雀に頼んで風紀を強化して貰いビアンキは学校に入れなくなり学校では何も出来なくなる。
 分かった事に獄寺君とビアンキは異母姉弟だった。
 そしてビアンキは沢田家に居候になる。
 居候と言えばランボもそうなる。

「居候が増えたなぁ」
「……………」

 綱吉は塀の上に居る女の子に気づく。

「こんにちは」
「チャオッす」
「私、三浦ハルと申します」
「知ってるぞ。ここん家の娘だろ?」
「(変な子がいるなぁ)」

 話しは進んでいき、三浦ハルはいきなり綱吉を平手打ちする。

「っ……?!」
「最っ低です!何て言う事を教えているんですか!」
「……………………」

 綱吉は避ける事が出来たがあえて避けなかった。

「赤ちゃんは真っ白なハートをもった天使なんですよ!!貴方はそんないたいけな純情を腐ったハートでデストロイですか?!それに不良の遊びにも程があります!リボーンちゃんの自由まで奪って!」

 ハルは綱吉の事を殴ろうと腕を振り上げる。
 しかし綱吉はその腕をつかむ。

「なっ!?」
「なんなの。人が黙っていれば…好き勝手言って。遊び?ふざけるな……遊びじゃない。俺は本気だよ」
「ツナ…お前」
「それに他人のキミにとやかく言われる謂れはない。だいたい人の話を聞かないで殴るなんて普通はしない。今時の幼稚園児でもそんな非常識な事しない…行くよ律矢」
「うん」

 綱吉は律都の手を繋ぎ歩いて行く

「良いのかツナ。あんな事言って」
「良いも悪いも全部本当の事だよ。俺はマフィアのボスになる……そして」

 綱吉はそこで言葉を止め、次の日学校に向かっていると遠くからガッシャン、ガッシャン聞こえて来る。
 綱吉は音が聞こえて来る方を見ると甲冑とアイスホッケーのスティックを持たハルがいた。

「……何してるの?」
「おはようございます。昨日のいきなり殴ってスミマセンでした。色々と勘違いしていた事に気づきました。ツナさんがマフィアのボスに成るなら強い筈です。なので勝負して下さい!」
「はぁー(なんなんだよ)」

 綱吉はハルの攻撃を避けていく。
 それを見た獄寺が来る。

「10代目さがって下さい!」
「獄寺君?」
「果てろ!」
「ちょっと待って……」
「はひ?!」

 ハルはダイナマイトの爆風で橋の上から落ちてしまった。

「た、助けて!」
「はぁ……」

 綱吉は荷物を置き、制服の上着を脱ぎ捨て飛び降りる。

 ドボーン!

「暴れないで、甲冑も脱がせるよ」
「っつ~!」

 綱吉はハルを抱き抱え川岸まで連れて行き、綱吉は律都が荷物をもって来てくれた中からジャージとタオルを出し貸してあげる。

「ありがとうございました……」
「ったく、反省しているのか!」
「獄寺君、助けてくれてありがとう」
「いえ、10代目の為なら」
「でも、いきなりダイナマイトを投げる事は駄目だよ。ちゃんと話しを聞いて欲しい」
「……はい」

 彼にもしも尻尾があれば確実に垂れ下がっているだろう。

「キミも2度とこんな真似はしないで…」

 綱吉はシャツを着て荷物を持ち歩いて行く。

「はぁー。本当になんなんだ」

 綱吉は雲雀の家に向かい、家に帰るより雲雀家に行く方が近いのだ。

「ツッ君どうしたの!?びしょ濡れになって!」
「色々あって…クシュン!」
「今、おふろの用意をするからタオルで良く吹いてちょうだい!」
「ありがとうございます」

 恭華は走っておふろ場に行ってしまう。
 綱吉はタオルで身体を拭き玄関に座る。

「綱吉」
「俺は大丈夫だよ」

 こうして三浦ハルは綱吉達と友人になる。


ハルSIDE

ハルは最初ツナさんを見た時、殴ってしまいましたしまいました。
その後、川に落ちて助けてくれてのはツナさん。 
その時ハルはツナに惚れたもようです。




 綱吉達は家に帰る途中で不良3人に絡まれる。

「あれ、確か1年のダメツナじゃん」
「俺ら今、金がねんだ。貸してくれない」
「……お断りします。今日は財布を持ち歩いてないんです」
「あぁ!先輩に逆らうのかよ!」
「だから、財布を持っていないって」
「だったら弟の方でも良いぜ」
「……………」

 ピク

「律矢に触れたら許さない」
「何、言ってるんだ。ダメツナの癖に」

 不良の3人の1人が律都に触れようと手を伸ばすが綱吉はその手を払う。

「なっ!?」
「テメェ!」
「律矢に危害を与える奴は許さない……」

 綱吉はリボーンがいないのでほんの少しだけ本気を出し不良達をのしていく。
 それを偶然見ていた人物がいた。

「はぁー。病院に連絡しないと……」

 綱吉は携帯を取りだし病院に連絡して家に帰る。
 次の日学校に行き、教室にいると………。

 ガラッ!

「沢田綱吉は居るかぁ!」
「お兄ちゃん!」
「………………」

 綱吉は京子と少年を見る。

「……似てないね」
「そうかな?」
「おぉ!京子。沢田綱吉はいるかぁ?」
「俺が沢田ですけど何か?」
「お前が沢田綱吉だな!俺の名前は笹川了平。座右の銘は極限。昨日見た時に100年に1人の逸材だと思ったのだ!」
「………………」
「お兄ちゃん、ツナ君に迷惑かけちゃ駄目だよ!」
「迷惑等かけてはいない!沢田、我がボクシング部に入らないか!」
「お断りします」
「何故だ!」
「俺にはやらなきゃいけない事があるんです。だから部活に入る気はありません」
「ならば、俺と勝負しろ!もしお前が勝ったら俺は諦める!」
「本当ですね?」
「男に二言はない!」
「分かりました」
「では、放課後ジムで待つ」

 少年基…了平はそう言うと教室を出て行く。

「ツナ君、ごめんね…お兄ちゃんが無理言って」
「大丈夫だよ」

 放課後になると綱吉は律都を連れボクシング部に向かう。

「おぉ!沢田来たか!お前の評判を聞き付けてタイからムエタイの長老が来ているぞ!」
「パーオン」
「………………」

 綱吉は冷めた目でリボーンを見る。
 そこに獄寺、山本、京子が来ている。

「10代目~!」
「頑張れよー!」
「ツナ君頑張って!」
「ルールは分かっているから始めて下さい」
「行くぞ!沢田綱吉。手加減等せんぞ!」

 試合は始まり、綱吉は了平の攻撃を避けていく。

「俺の極限ストレートをかわすとは!ますます気に入ったぞ!なおの事入れ沢田!」
「お断りします」
「スゲー!あの笹川先輩の極限ラッシュをかわしてる!!」
「アイツ、何者だ?!」
「かわすツナもスゲーがあのラッシュも常人のもんじゃねぇな……」
「ありゃあ殺し屋のそれだぁ………」
「…そろそろ、終わりにさせて貰います」

 綱吉は右ストレートを顔面に決める。

「ぐはあぁ?!」

「「「?!」」」

「終わりですね」
「流石です10代目!」
「約束通り、諦めて下さいね」
「あぁ、男には二言はない」
「笹川了平。お前ファミリーに入らないか?」
「リボーン……山本の時も言ったけど一般人をファミリーに誘うなよ」
「???」
「駄目か?」
「はぁー」

 綱吉はリングから降りて律都のところに行く。

「綱吉、鞄」
「ありがとう律矢。帰ろう」
「うん」

 綱吉達はジムを出て行き、その後をリボーンは追う。

「やっぱりダメツナは演技だな。何でも出来るのか?」
「…今はダメツナの方があまり詮索されないから良いんだよ」
「ツナ……お前は出来ない事はないのか?」
「ないよ」
「あんまり完璧だと化け物みたいだな」
「…………………」

 綱吉の中で何かが皹が入る音が聞こえる。

 次の日の朝………。

リボーン「ツナ起きろ。学校に遅刻するぞ」
「起きてるよ…っ……?!」

 綱吉はベットから起き上がると立ちくらみを起こして倒れる。

 ガッシャン!

「ツナ!」
「っ……?!」

 奈々達は2階から派手な音を聞き付けて綱吉の部屋に行く。

「ツッ君!」
「ツナ!」

 奈々は綱吉に近寄りおでこを触ると凄い熱さだ。

「凄い熱だわ!ビアンキちゃん。おふろ場に樽があるからお水と氷を持って来てちょうだい。ランボちゃんはうつるといけないからお部屋には入っちゃ駄目よ」
「でも……」
「ママン、今医者を呼んだぞ」
「ありがとうリボーンちゃん」

 暫くして1人の医師が沢田家に来る。



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